騰勢止まらぬS&P500種、押し目買い投資家に戦略見当たらず
by Bloomberg
このままでは、米株式市場に実際の押し目をもたらすのはリセッション(景気後退)だけかもしれない。
少なくともウォール街では今、そのように感じられている。絶え間なく続く相場上昇が、2024年に向けて株式に全力投球できなかった投資家を懲らしめている。
S&P500種株価指数の上昇はあらゆる指標でみて息をのむペース。週間ベースでは過去15週間のうち14週間で上昇し、1972年以来最も好調だ。相場のモメンタムを追う上場投資信託(ETF)は少なくとも13年以来最高の1年のスタートを切った。また、S&P500種が日中の取引レンジの中値を上回って終了した日は年初から28営業日の71%に上り、この数値は過去40年間のどの年よりも高い。
企業収益の伸び加速や人工知能(AI)などを巡る楽観論に後押しされた力強い相場上昇は、超ロングのポジションを取る先見の明のある人々に贈り物となっている。だが、株価は日に日に割高になっており、今すぐ市場に参入、もしくはポジション追加を考える資金運用者を意気消沈させているようだ。
ジェフ・ムーレンカンプ氏は、こうした相場展開の犠牲者から最も遠い人物だ。自身の名を冠したファンドは、過去3年間で年率12%という市場を上回るリターンを上げた。しかし同氏でさえ、現在の上昇気流に乗るには相場が過熱しているとみているという。
自身のファンドのキャッシュ比率を現在12%としているムーレンカンプ氏は「市場の大部分はまだ非常に割高だ」と指摘。その上で「リセッションが、より良い価格で資金投入する機会を与えてくれる可能性はある」と述べた。
3カ月連続の上昇でポジショニングが高水準に押し上げられた後だけに、ラリーが持続するには新たな買い手探しが課題になりそうだ。トレンドに追随するトレーダーやアクティブマネジャーはすでに株式を大幅にオーバーウェイトしており、十分に投資できていなかった人々が追いつき始めていることを示唆している。
米国債の長短金利逆転を信頼できる景気後退シグナルと信じてきた人なら分かるように、株式相場の押し目のタイミングを計ろうとするのは1年以上前から負け戦だった。23年初めに景気後退を予想してポジションを減らした多くの投資家は、経済が堅調に推移し、株式相場が暗い見通しにひるまなかったため、相場上昇を追いかけざるを得なくなった。
株式投資家は債券投資家よりも経済に対し明らかに楽観的だ。昨年10月以降、米国の株式時価総額は約9兆ドル(約1340兆円)増加し、中国市場全体を上回る規模の富が創出された。
米国で再び「大引退時代」の到来、株高の追い風が高齢層の資産を潤す
エコノミストはかねて、ベビーブーマー世代の高齢化に伴い、人口に占める引退者の割合が急増すると予想してきた。しかし、新型コロナウイルス禍によって、引退者数は予想をはるかに超えて急増し、「グレート・リタイアメント(大引退時代)」と呼ばれた。こうした傾向は後退しつつあるかにみえたが、ここにきて再び跳ね上がり、昨年12月にはコロナ禍後の最高水準に達した。
米国の引退者数は現時点で、セントルイス地区連銀のエコノミスト、ミゲル・ファリア・エ・カストロ氏が考案したモデルの予測を270万人ほど上回っている。
金融市場のパフォーマンスが要因の1つとなったようだ。S&P500種株価指数が2022年に19%値下がりしたことを受け、23年初めにはモデルの予測とのかい離が縮まりつつあるかに見えた。しかし、その後持ち直したS&P500種は10-12月(第4四半期)にかけて騰勢を強め、24%上昇して終えた。これに加え、大都市圏の大半において住宅価格は昨年10-12月に値上がりが続き、年齢高めの層の資産を潤した。
今年の米利下げ見通しやインフレ鈍化も、引退を促す要因となった可能性がある。他方、すでに引退した人は職場復帰は必要ないと確信を強めているかもしれない。
在宅勤務の規則が厳格化され、オフィス勤務に復帰するよう圧力を受けて、引退を決める人もいるだろう。
65歳以上の労働参加率はコロナ禍後、平均19.1%で推移している。コロナ流行前の1年は20.2%で、現在よりも1ポイント余り高かった。
この記事の考察
2023年が始まった当初は景気後退のシグナルが沢山出ていたので私を含めポジションを減らしていた。
しかし、予想に反してAIバブルがおきて株価は急騰した。2024年になってもこの勢いが止まらない。
ここにきて参加し始めた投資家の運命はどうなってしまうのか?
一方でアメリカではグレート・リタイアをする人々が増えているようだ。特に65才以上の労働参加率が急速に減っている。
投資をずうっーとやってきた人達がリタイアしているようだ。
NYCB株が急反発、17%高-CEOら経営陣が自社株購入
9日の米株式市場で、銀行持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の株価が急反発。トーマス・カンジェミ最高経営責任者(CEO)ら内部関係者が合計で20万株余りの自社株買いを行ったことが明らかにされた。商業用不動産に関連する貸倒引当金の増加と減配を発表した先週以降、同社の株価は約半分に落ち込んでいた。
NYCB株は前日比17%高と、昨年3月以来最大の上昇を記録し、4.90ドルで終了した。米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、経営陣ら数人の内部関係者が同社の株式を購入した。執行会長に今週指名されたアレッサンドロ・ディネロ氏が5万株、カンジェミCEOが約1万1000株で、このほか取締役会メンバーを含む数人の内部関係者が自社株買いに加わった。ブルームバーグの試算によると、購入された株式の規模は合計で約87万ドル(約1億3000万円)に上る。
この記事の考察2
ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の株価が急反発した。トーマス・カンジェミ最高経営責任者(CEO)たちは何か裏の情報をもっているとしか考えられない。
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