2023 12月27日 経済NEWS

投資

円上昇基調は終わりに近づいている可能性-ジェフリーズのベクテル氏

by Bloomberg

円上昇に賭ける為替トレーダーに対し、そうした流れに心を奪われることがないよう、ジェフリーズの外国為替グローバル責任者ブラッド・ベクテル氏(ニューヨーク在勤)は警告している。

  円は対ドルで11月の安値からは6%余り上昇している。だが、過去の事例を参考にすれば、円のポジショニングは上昇基調が終わりに近づいているとのシグナルを発していると、ベクテル氏は指摘する。過去1年間を振り返ると、機関投資家が円に強気になると、その後すぐに下落に転じているのが分かるためだという。

ベクテル氏は調査リポートで、「これは信じ込もうとしているマーケットだ」とコメントした。これに先立ち発表された米商品先物取引委員会(CFTC)のリポートによれば、資産運用会社は19日までの1週間に円売り持ちから、5月以来初となる買い持ちに転じた。

  世界の他の主要国・地域の中央銀行が利下げに転じようとしている状況にあって、日本銀行はマイナス金利解除の方向にあり、強気派は円上昇に期待を寄せている。

ベクテル氏はCFTCのリポート内容に関し、「どちらかといえば今年1月と3月に目にしたように、完了に近づきつつあることを示唆している可能性がある」との見解を示した。

2023年に予想されていた円急伸は実現せず、むしろ下落に見舞われた。円は今年、対ドルで約8%下げ、G10通貨の中で最悪のパフォーマンスとなっている。

  ただ、過去3年の下落基調を経て、来年には円が上昇に向かうとの予想が再び浮上している。日銀はマイナス金利解除に近づいていることを示唆しているものの、早期の政策転換の期待を押し返すととともに、具体的な時期について何ら明確にしておらず、投資家は緊張状態に置かれている。

  ベクテル氏は、円に強気であるならば、スイス・フランを対円でショートにするよう勧めている。

政策正常化へ議論二分、「タイミング近い」「慌てず」-日銀意見

日本銀行が18、19日に開いた金融政策決定会合では、2%の物価安定目標の実現や金融政策の正常化のタイミングについて、政策委員の間で意見が分かれている状況が浮き彫りになった。「主な意見」を27日に公表した。

  ある委員は、賃金上昇が物価上昇に追いつかない日本の状況を踏まえれば、「来春の賃上げが予想よりかなり上振れたとしても、基調的な物価上昇率が2%を大きく上回ってしまうリスクは小さい」と主張。慌てて利上げしないと政策対応が遅れるビハインド・ザ・カーブになってしまう状況にはなく、「少なくとも来春の賃金交渉の動向を見てから判断しても遅くはない」との考えを示した。

一方、2%物価目標を持続的・安定的に実現する確度について「さらに高まってきており、金融正常化のタイミングは近づいている」との意見も出た。この委員は「巧遅は拙速に如(し)かず」とも指摘し、「物価高が消費の基調を壊し、物価安定目標の実現を損なうリスクを避けるためにも、タイミングを逃さず金融正常化を図るべきだ」と述べた。

  12月会合では、イールドカーブコントロール(YCC)を中心とした大規模な金融緩和政策の維持を決定。先行きの政策指針であるフォワードガイダンスにも変更はなかった。市場には早期の正常化観測も根強いが、植田和男総裁は会合後の会見でマイナス金利の解除などを急がない姿勢を示しており、政策委員間での議論の収れんにもう少し時間がかかる可能性がある。

見極めに十分余裕

  ある委員は、これまでのYCC柔軟化措置に伴うイールドカーブのゆがみ解消で、インフレ基調が過度に強まらない限り、「賃金と物価の好循環を通じた2%目標の実現の見極めは十分な余裕を持って行うことができる」と指摘。「千載一遇のチャンスを逃がさぬよう変革の後押しに集中し、当面は現状の金融緩和継続が適当である」とする意見も出た。

  正常化入り後を意識した発言も複数見られ、ある委員は「出口のタイミングやその後の適切な利上げのペース等について、引き続き議論を深めていくことが重要だ」と主張。出口における政策運営能力への信認を維持するため、中央銀行のバランスシートや収益変化のメカニズムについて情報発信する重要性を指摘する声もあった。

  主な意見で日銀が政策正常化を急がない姿勢が示されたとの見方から、27日の東京外国為替市場では円に売り圧力がかかり、一時1ドル=142円85銭と21日以来の安値を付けた。債券相場は上昇しており、新発10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp)低い0.61%。

この記事の考察

日本円は世界の中で最も安い通貨になってしまった。これは日本政府、日銀の政策の影響なのだろうか?

私は日本経団連の影響のほうが大きいと思う。というか、日本政府を裏で操っているのは富裕層、数%の従来の財閥、貴族である。

こういう事を書くと信じない人もいるかもしれないが利権を手放したくない人たちが世界を牛耳っている。

Great Reset

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