2024 2月3日 経済NEWS

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米雇用者数と賃金、予想外に伸び加速-FRB利下げ一段と遠のく

by Bloomberg

1月の米雇用統計では雇用者数が1年ぶりの大幅増となり、賃金の伸びも加速した。労働市場が予想外に再び勢いを増していることが示唆され、早期に米利下げが行われる可能性が一段と低下した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合日程に連動するスワップ契約では、3月の利下げ確率がさらに低下。2024年全体の利下げ幅予想も後退した。

  チャールズ・シュワブのチーフ債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は「これはFOMCが据え置きを続けることを間違いなく正当化する」と指摘。「経済は高水準の雇用を生み出すほど十分に力強い。平均時給が前年同月比4.5%上昇しているのは、米金融当局者の多くにとって需要サイドからの潜在的なインフレを示唆する」と述べた。

  1月はヘルスケア、専門職・ビジネスサービス、小売りでの雇用増が目立った。

  今回の堅調な統計は、労働市場が個人消費の原動力となり、景気拡大を支えてきたことを浮き彫りにした。一方で、雇用ペースが緩やかに減速しているのかについては疑問を生じさせた。雇用ペース減速はこれまで賃金の伸びを抑制し、インフレ率を低下させるのに寄与していた。

米金融当局者らは景気拡大を維持する上で十分に力強い雇用の伸びが続くことを望んでいるが、インフレが2%目標への鈍化を続けるとの確証を待つ中で、より緩やかな賃金上昇を確認したいとも考えている。

米雇用統計「ショッキング」、3月利下げに別れ-市場関係者の見方

天候要因

  賃金は労働時間の減少によって押し上げられた可能性が高い。1月分の調査が実施された週は、米国の多くの地域で厳冬が続き、経済活動が混乱した。テキサス州で氷点下となったほか、中西部では大雪、北東部では洪水が発生した。

  悪天候のために就労しなかった労働者数は50万人を超え、ほぼ3年ぶりの高水準となった。

  週平均労働時間は34.1時間と、前月(34.3時間)から減少した。

  2024年最初の雇用統計で雇用者数が予想外の大幅増となったことは、バイデン大統領にとっては朗報となりそうだ。バイデン氏は11月の大統領選に向けて、経済は好調だと有権者を納得させようと努めている。

 労働参加率は62.5%で、前月と変わらず。男性の参加率は低下したものの、女性の参加が進んだ。

この記事の考察 

この雇用統計の数字を見る限りBloombergや、他の新聞はアメリカの経済は以前として強い。ということになる。
2期目をめざす民主党、バイデン政権にとっては非常に都合の良い数字である。

この雇用統計を出しているのはBLSである。その数字は↓下の通りである。

平均時給は34.55ドルである。1ドル147円で計算すると5000円を超える。日本人からすると驚きの時給だが、これが世界水準である。
日本はもはや先進国ではない。

ただ、このBLSの数字を違った視点で見ると解釈は変わってくる。

正規社員数は先月よりも減っている。そして、平均週間労働時間は先月比で0.2時間、前年同月比で0.5時間減っている。
アメリカは労働組合が強いため余り働かなくても賃金は上昇する。とみるか、いや仕事が減っているから労働時間が減っているのか。

BLSが発表する数字の解釈のしかたで正反対の結果となる。

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