中国が再び救うのか?

投資

26 SEP. 2024 経済 NEWS

中国関連資産の上げ加速、追加支援への期待で幅広く買われる

by Bloomberg

中国当局が矢継ぎ早に打ち出した最新の景気刺激策を背景にアジア株のほか、鉄鉱石や銅などあらゆる資産の価格上昇が加速した。市場ではさらなる支援策が買いに拍車をかけるとの見方が広がっている。

  中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁が24日に数十年ぶりとなる大胆な政策パッケージを発表したことを受け、投資家は中国政府が財政措置で再び経済を活性化させるとの期待を高めている。こうした期待が実現すれば、世界市場に広がるリスクオンムードはさらに強まる可能性が高い。

  中国市場は成長鈍化と長引く不動産危機によって長期にわたり低迷していたが、ようやく持続可能な回復の幕開けに臨めるかもしれないとの確信が強まっている。一方で、これまでも同様の上昇はあったが、焦点がすぐに国内の経済問題に戻ったことで短命に終わったと指摘する声もあり、楽観的な見方が慎重さによって抑えられている面もある。

  UBSアセット・マネジメントの新興国市場・アジア太平洋債券責任者、シャマイラ・カーン氏は「われわれは景気刺激策のフォローアップがあると考えている」と指摘。次のパッケージは財政措置になる可能性が高く「アジア通貨やコモディティー(商品)にとってポジティブだ」と述べた。

 中国当局による最新の取り組みは、オーストラリア・ドル、ブラジル・レアル、タイ・バーツ、工業用金属など中国関連資産に対する24時間にわたる買いを誘発。新興国株の指標は米国での大幅な追加利下げ期待もあって2年半ぶりの高値を付けた。

  栄静(ジャクリーン・ロン)氏らBNPパリバのエコノミストはリポートで「財政的なフォローアップが鍵となる」と言及。最新の措置は「われわれの予想を上回った。特に市場の期待が低かったことを考慮すると、不動産および株式面での支援策と相まってリスク選好度を高めるはずだ」とした。

  フェデレーテッド・ハーミーズの日本以外アジア株責任者、ジョナサン・パインズ氏は、今回のパッケージを「多面的かつ強力な」アプローチとし、中国が抱える問題に取り組む政府の真剣さを裏付けていると評価。ヘッジファンドであるトライベッカ・インベストメント・パートナーズのジュン・ベイ・リウ氏は、中国関係者が現時点で全員「非常に強気」であることが会話から分かったと述べている。

 市場の上昇が続くかどうかを判断する上で、今後数日が非常に重要かもしれない。

  習近平国家主席が率いる24人からなる政治局は10月1日の国慶節(建国記念日)に伴う大型連休を前に会合を開く予定で、当局は追加の財政措置を発表する可能性がある。これには売れ残った住宅を買い上げるための資金の増額や社会福祉への歳出増などが含まれるかもしれない。財政省はまた、地方政府に対しインフラ支出拡大に向けた債券の発行を促すことも可能だ。

  一方、近い将来にリスクがあると指摘し注意を呼びかける市場関係者もいる。これには11月の米大統領選挙やトランプ氏が勝利した場合の追加関税の脅威のほか、貿易摩擦の激化に伴ってリスク資産に対する需要が再び弱まる可能性などが含まれる。

タイムフォリオ・アセット・マネジメントとマゼラン・インベストメンツ・ホールディングは、需要の弱さ、中国の不動産市場の苦境、デフレスパイラルなど他の問題も依然としてくすぶっていると指摘している。

原題

中国の景気刺激策、習政権の時間稼ぎに過ぎず-追加策に期待広がる

中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝総裁は24日、中国がここ数十年で実施した政策キャンペーンの中でも屈指の大胆施策を打ち出した。

  潘総裁と他の金融当局トップらが参加し、北京で開かれた異例のハイレベルの記者会見で発表されたのは、主要な政策金利や市中銀行の預金準備率の引き下げ、住宅購入へのインセンティブ拡大、株式安定化基金の検討など、デフレスパイラルの瀬戸際にある中国経済に大量のカンフル剤を注射するような一連の緩和策だった。これらは、市場ウオッチャーが数週間前から求めていたものだ。

中国本土と香港の株式相場は急伸。中国本土株の指標CSI300指数は2020年7月以来の大幅上昇を記録した。自動車や高級品メーカーなど中国依存度が高いセクターが買われて、米株価指数先物と欧州株も値上がりした。

  矢継ぎ早の政策発表を受けた市場の反応は、ハーバード大学とケンブリッジ大学で学んだ潘総裁が中国経済に貴重な時間を稼いだことを示唆した。ただ、習近平国家主席が約18兆ドル(約2600兆円)規模の中国経済を、不動産不況や消費者物価の低迷、世界貿易の高まる緊張を背景とする長期低迷から救出するつもりならば、今回の刺激策はほんの手始めに過ぎないとエコノミストらは考えている。

パンテオン・マクロエコノミクスの中国担当チーフエコノミスト、ダンカン・リグリー氏は「デフレスパイラルに向かう中国の根本的な問題に対処するには、今回の措置だけでは不十分だと思う」と述べ、中国に必要なのは「経済を根本的に再構築し、消費の伸びを促進する改革パッケージだ」と指摘した。

事情に詳しい関係者によると、24日の会見は、習政権高官の間で数週間にわたり懸念が高まっていたことを受けて、48時間前に急きょ準備された。今年の経済成長目標を達成できない可能性が次第に明らかになる中、政策当局高官らは経済を議論するため予定外の非公開会議を複数回開催したという。

  とりわけ懸念されたのは、経済成長に大きく貢献する沿岸地域の少なくとも一つの主要な省の役人から、国内総生産(GDP)の目標達成は難しいとの警告があったことだと関係者の1人は明かした。

共産党指導部の素早い方針転換は、多くの政府関係者にとって想定外だった。部外秘秘情報を理由に匿名で話した複数の当局者によれば、景気回復を目指して立案した政策提案に対するフィードバックを何カ月も待っていたところ、先週突然、さらなる情報提供を求められ、24日の会見に備えて徹夜を余儀なくされた政府関係者もいた。

  その努力は報われた様子だ。潘総裁ら当局者は、中国経済に関する見解に差し当たり変化をもたらした。ここ数週間、ゴールドマン・サックス・グループやUBSグループなどの金融機関が、物価下落を警告する相次ぐ悪いデータを受け、中国の経済成長率予測を下方修正していただけに、大きな転換だ。

ブルームバーグ・エコノミクスなどは今、習主席が掲げる「5%前後」の今年の経済成長目標を政府が達成すると予測している。しかし、日本型デフレを回避するには、さらなる対策が必要だとする点で大方のエコノミストの見方は一致している。欠如したままの大きな要素は中国14億人の消費を活性化させるための首尾一貫した戦略だ。

  タイムフォリオ・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ナイジェル・ペー氏は「中国の多くの問題は需要、ないし信頼に起因する」と指摘。「全体的に見て、中国の抱える問題は複雑なため、今回の措置が状況を目立った形で変えるとは思わないし、特効薬などない」と語った。

  中銀が市場の予想を上回る措置を講じた今、注目が集まっているのは財政省だ。10月1日から始まる国慶節の1週間の大型連休を前に、中国共産党の政治局員24人が会合を開く予定で、今後数日中にさらなる財政措置が講じられる可能性がある。この国慶節のイベントは、共産党が中華人民共和国を建国してから75周年を祝うものとなる。

このニュースの考察

2008年のリーマンショック後は中国の経済成長が世界を引っ張ったことで世界経済は回復したことになっています。

しかし、長い目で見たら本当にそうでしょうか?
その後の世界経済は力を付けた中国の言いなりになりかけています。

2020年のコロナショック後のサプライチェーンの混乱により欧米、日本は学んだはずです。

中国はありとあらゆる物を作って輸出して外貨を稼いでいます。
そのお金がロシアにも多く流れています。

中国自身が内需拡大の為に景気刺激策を出したからと言ってそれに乗っかるのはどうかと思います。

日本は政府も企業も中国に投資してきました。
その結果どうなったか。
我々日本人は貧乏な国となってしまいました。

中国の観光客に助けて貰っている状況です。
日本政府、企業は情けないと思わないのでしょうか?

日本政府はもっと、自国に投資すべきです。
昭和40、50年代のようにインフラ関連、整備にもっとお金を使うことが日本人を豊にしていきます。
中国に投資しても感謝どころか、文句しか言って来ません。

1月1日の能登半島地震、9月21日の能登豪雨被害、もう心が折れています。

石川県能登半島にもっとお金を使って欲しいです。

日本人の為にお金を使って欲しいです。

ここから誰かが、又はある組織が意図的に経済を破壊しにいきます。

全ては誰かの利益のために

 NEW GREAT RESET

只今、無収入で記事を書いています。サポートしていただける方は↓下のボタンからお願い致します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました