2024 3月9日 経済NEWS

投資

米失業率2年ぶり高水準、労働市場に減速感-雇用者数は伸び堅調

by Bloomberg

2月の米雇用統計では、雇用者数の伸びは健全さを維持したものの、失業率が2年ぶりの高水準に上昇した。労働市場はなお堅調だが、減速感も見られる。

非農業部門雇用者数は前月までの2カ月間で計16万7000人分、下方修正された。

  今回の雇用統計は、労働市場が徐々に減速していることを示した。雇用と賃金の伸びがやや落ち着いたことで、インフレ再燃リスクがそれほど高まらずに米経済が拡大し続ける可能性が示唆された。米金融当局にとっては、年内に利下げに踏み切る余地が生まれる。

雇用者数と平均時給は事業所調査、失業率はより対象の少ない家計調査が基になっている。家計調査は失業者数の大幅増加を反映した。

  金融市場では統計発表後に6月利下げ観測が強まった。

米雇用統計、ドルにとっては悪いニュース-市場関係者の見方

  失業率上昇の一因は、労働市場に参加したもののすぐに職を得られない人が増えたことにある。 

  2月の雇用の伸びは医療や娯楽・ホスピタリティー、政府部門などで特に目立った。

金融政策への影響

  米金融当局はインフレ動向を見極める上で、雇用市場やそれが消費支出に与える影響を注視している。2月の米消費者物価指数(CPI)は12日に発表される。労働市場の減速が非常に緩やかであることが利下げを急がない理由の一つだと、当局者らはこれまでに示唆している。  

  他の重要なポイントは労働需給と賃金の関係だ。平均時給の伸びは2月に鈍化したが、1月には加速していた。1月の大幅な伸びについて一部エコノミストは、悪天候で平均労働時間が短くなったことを挙げている。

ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン氏らエコノミストは「非農業部門雇用者数は春にかけて伸びが鈍化し続けるとわれわれは予想しているので、米金融当局のリスクバランスは一段と改善し、5月利下げの可能性が開けるとみている」と述べた。

  今回の雇用統計は3月19、20両日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合前に入手できるものとしては最後。今月の会合では、インフレ減速の一段の進展を待つため政策金利は据え置かれるとエコノミストらは予想している。

  コメリカ・バンクのチーフ・エコノミスト、ビル・アダムズ氏は「2月雇用統計は景気後退を思わせるものではなかった。だが、高インフレの要因となっていた熱を帯びた雇用市場を沈静化させるという任務の達成に、金融当局が近づきつつあることが示唆された」とリポートに記した。

  労働参加率は62.5%で前月と同水準。25-54歳の労働参加率は83.5%で、5カ月ぶりの高水準となった。

週平均労働時間は34.3時間と、1月の34.2時間から増加した。

この記事の考察

FOMCと市場にとって3月の最大のニュース、雇用統計は曖昧な数字が発表された。

アメリカ市場は続落で反応した。

米国債利回りは下落した。
10年債利回りー2年債利回りはマイナス0.401でいぜんとして逆イールドである。

GOLDだけが史上最高値を更新している。

中国が世界中の金を買いあさっている。台湾有事への備えではないだろうか?

注目のNVDA,ネヌビディアは大きく下落した。

NVDAの出来高も大きいが陰線も大きい。うわひげもつけている。ここから大きく下がる兆候である。

BLSの雇用統計の中身は↓下の画面になります。

週間の平均労働時間は34.3時間、平均時給は$34.57,週間の平均給与は$1185.75である。

円に直すとドル円147で平均時給5081円、週間給与は174,305円である。日本人からすると破格の値段である。

フルタイム、つまり正社員数は先月より18万7千人減少した。パートタイム労働者数は1万3千人増えた。

マルチジョブ、つまり、仕事を2つ以上している人は1万3千人減少した。

正社員の数が減っているのに27.5万人の非農業部門雇用者数の増加はどう捉えたら良いのでしょうか?

家計調査に基づく失業率は3.9%であり、先月の3.7%より悪化した。

これらの景気指標を考えるとアメリカの経済は悪化しているように感じる。
これまでの流れを考えると、本当はこれで金利を下げる理由ができたはずで株価は上がるはずである。

しかし、今回は株価下落で反応した、市場がBLSの発表の数字の裏側に気づいてかもしれない。

【米国市況】S&P500種は反落、買われ過ぎの兆候-ドル147円近辺

8日の米株式市場はS&P500種株価指数が反落。今年に入り複数回にわたって最高値を更新してきたが、上昇は行き過ぎとの観測が広がった。

強弱まちまちな内容となった2月の米雇用統計を市場が消化する中、S&P500種で最大の影響力を持つテクノロジーセクターに売りが出され、全体を押し下げた。ナスダック100指数は1.5%安。エヌビディアは7営業日ぶりに下落した。テスラも下げ、週初からの下げは13%となった。ブロードコムは大幅安。半導体部門の2023年11月-24年1月(第1四半期)売上高が市場予想を下回った。

ブロードコム、AI需要が成長促進と予想-他分野の低調さ補う (2)

  S&P500種は昨年初めから約35%上昇しており、買われ過ぎの兆候が表れた。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のマイケル・ハートネット氏によれば、こうした「異常な時」に株式は「異常な上昇」を示している。想定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ前に株式のポジションは「引き伸ばされている」という。昨年は株式に対して弱気な見方を維持していたハートネット氏は、今年はより中立的なトーンになっている。

テクノロジー株ファンド、週間ベースで過去最大の資金流出-BofA

  ミラー・タバクのマット・メイリー氏は「短期間にそれなりの量の『フロス(細かな泡)』が市場に混入したことに疑問の余地はない、というのがわれわれの認識だ」とし、「投資家はこの先約1週間ほどはある程度キャッシュの配分を増やし、ディフェンシブな姿勢をやや強めるべきだ」と語った。

  雇用統計では、雇用の増加が続く一方で賃金の急上昇は招いていないことが示された。統計を受けて市場ではFOMCがソフトランディングを達成し、年内の早過ぎない時期に政策緩和を開始できるとの期待が再び広がった。

米失業率2年ぶり高水準、労働市場に減速感-雇用者数は伸び堅調 (4)

モルガン・スタンレー傘下Eトレード・ファイナンシャルのクリス・ラーキン氏は、雇用統計について「FOMCにとって『問題なし』のシグナルとは必ずしもならなかったが、利下げの計画を狂わせるような内容もなかったようだ」と述べた。

2月の非農業部門雇用者数は前月比27万5000人増。一方で1月までの2カ月間で計16万7000人分、下方修正された。失業率は3.9%に上昇し、賃金の伸びは鈍化した。

  プリンシパル・アセット・マネジメントのシーマ・シャー氏は雇用統計の内容は「ばらばらでまとまりがない」と話す。それでも全体的には市場にポジティブな内容だと分析した。

  「賃金上昇を再び引き起こすことなく雇用を増やし続けられれば、FOMCはソフトランディングを達成するだろう」と同氏は述べた。

  カーソン・グループのソヌ・バーギーズ氏は雇用統計について、労働市場は強いが過熱はしていないことを裏付けると指摘。つまり、FOMCは年内の利下げに向けた道をなお順調に進んでいるということだと語る。

FOMCの政策決定を予測するスワップ契約では、より低い金利水準へと織り込み直す動きが見られた。つまり、年末までの100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近い引き下げをトレーダーが見込んでいることを示唆する。

米スワップ市場、6月25bp利下げ完全に織り込み-12月まで100bp

  ボルビン・ウェルス・マネジメント・グループのジーナ・ボルビン氏は雇用統計に関して、失業率の上昇が最も重要な点だとみる。失業率が4%に達すればFOMCは懸念を強め、6月利下げの可能性が出てくると同氏は考えている。

  シカゴ連銀のグールズビー総裁はこの日、インフレがさらに鈍化するのに伴い、米金融当局は年内に政策金利を引き下げるとの見方を示した。

米シカゴ連銀総裁、FRBは年内に利下げへ-インフレ2%に戻す必要

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今週の議会証言で、労働市場は「需要と供給のバランスが改善してきた」と指摘。またFOMCが利下げ開始に必要な確信に近づいていることも示唆した。

  BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン氏は、「軟調な賃金の数字が目に止まった」とし、「今回の賃金インフレを巡る最新状況は、パウエルFRB議長が発した利下げ開始が近づいているというメッセージを反映している」と述べた。

国債

  米国債相場は強弱混在の雇用統計を受け、やや方向感に欠ける展開。

  米国債が大きく動いたのは主に午前中だった。雇用統計を巡っては、前月まで2カ月間の非農業部門雇用者数が下方修正された点が特に意識された。統計発表直後には、米国債は急伸する場面があった。

外為

  ニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。週間では昨年12月以来の大幅な下落率となった。米雇用統計に反応したほか、米金融当局者の発言を受けて年内利下げの見方が強まった。主要通貨では円が上昇率でトップ。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は雇用統計発表後に一時0.5%下げ、1月15日以来の安値を付けた。週間ベースでは1%下落。

  ドルは対円で一時146円49銭に下落。週間では約2%安と、今年最大の下げとなった。

原油

  ニューヨーク原油先物相場は続落。北米のキーストーン・パイプラインが操業を停止したものの、短時間だったため買いは続かず、売りが優勢になった。

  ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は1バレル=78ドル近辺で終え、心理的な重要な80ドルからさらに遠ざかった。同パイプラインを運営するカナダのTCエナジーは「予防的措置として」稼働を一時停止し、原油の放出はなかったと説明。パイプラインの完全性を確認した。

原油先物上昇、カナダと米国を結ぶ原油パイプラインが短時間停止

  今年に入り、原油は狭いレンジで取引されてきたが、今週はさらに値幅が縮小し、北海ブレントは2021年9月以来の狭いレンジにとどまった。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」による減産のほか、中東と紅海における緊張の高まりがある一方、米国を含むOPEC加盟国以外からの供給は拡大している。中国の成長に対する懸念も根強く、原油相場に逆風を吹かせている。

ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前日比92セント(1.2%)安の1バレル=78.01ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は88セント安の82.08ドル。

  金スポット相場は8日続伸し、この日も最高値を更新した。米雇用統計を受けて利下げ観測が強まり、金買いが続いた

INGグループの商品ストラテジスト、エワ・マンティー氏はリポートで「戦争が続いている地政学的な不確実性に加え、米国では選挙が控えている。安全資産としての需要が引き続き支援材料となり、金価格は今年も上昇するとみている」と指摘。「経済情勢や地政学的緊張、インフレに対するヘッジとして安全資産に逃避する不安定な時期に金は魅力を増す傾向がある」と述べた。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後2時23分現在、前日比0.7%高の2175.45ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は20.30ドル(0.9%)上げて2185.50ドルで引けた。

非農業部門雇用者数は前月までの2カ月間で計16万7000人分、下方修正された。という部分が重要である。

BLSが発表する数字のからくりに気づいた人は市場から徹底していく。

NVDA,AMZN,JPM,METAなど経営者が株を売って利確しているのは何故か?AIブームにより株価が更に上昇するならばここで売る必要は無いはずである。
彼らは何かを知っている。そして、何かを恐れている。

GREAT RESET

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