2024 1月6日 経済NEWS

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米雇用者の伸び加速、賃金は予想上回る上昇-労働市場の堅調持続

by Bloomberg

昨年12月の米雇用統計では雇用者数の伸びが加速し、賃金の上昇率は市場予想を上回った。米利下げ時期が迫っているとの観測が後退した。

雇用者数が特に増加した部門は医療や政府、建設、娯楽・ホスピタリティーなどだった。雇用が増えた業種と減少した業種との比率を示す雇用DIは上昇した。

  米政策金利は昨年にかけて約20年ぶりの高水準に引き上げられたが、堅調な労働市場は安定した消費支出と健全な経済成長の原動力となっている。

  金利スワップ市場では、雇用統計の発表を受けて一時、3月利下げの確率がほぼ半々に低下した。

  米金融当局は物価上昇が経済全般にわたって鈍化している一段の証拠を得るまで、政策金利を高水準に維持する姿勢だ。労働力の需要と雇用主による賃上げ意欲は、当局のそうした決意を固めさせる可能性が高い。 

チャールズ・シュワブのチーフ債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は「雇用市場は底堅いが、徐々に冷えつつあるというのが全般的な姿だ」と指摘。「ただ平均時給の伸びを受け、米金融当局が市場の織り込みより長く政策金利を据え置く可能性がある」と述べた。

留意点

  雇用者数の伸びは健全なペースで加速したが、12月雇用統計には留意点もある。

  労働参加率が0.3ポイント低下の62.5%と、約3年ぶりの大幅低下となった。比較的若い世代と年配者で特に下げ、25歳から54歳の労働参加率は0.1ポイント低下となった。

失業者が仕事を探す期間は長期化し、フルタイム雇用者の数は2020年4月以来の大幅減となった。週平均労働時間は34.3時間と、前月(34.4時間)から減少した。 

  ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、アナ・ウォン氏らは「12月雇用統計で良いニュースは、非農業部門雇用者数が驚くほど増加したことだけだ。他の項目は、労働市場が急速に冷え込みつつある兆しであふれている。家計調査に基づく雇用者数は2020年4月以来の大きさで減少した。失業期間は長期化し、労働参加率は低下、経済的理由でパートタイムの仕事に就いている人が増え、労働時間は減少した」と分析した。

この記事の考察

先ず、このロジックを解説します。
昨年12月の米雇用統計では雇用者数の伸びが加速した。非農業部門雇用者数が市場予想17.5万人に対し4.1万人も多い21.6万人になったこと。そして、失業率が3.7%だったこと。

これはアメリカの経済は堅調であるということを示している。
ならばこのまま高金利で良い。ということである。

利下げは経済指標が悪化してから行うということだ。

上の記事の留意点を注目して欲しい。

労働時間参加率が62.5%と先月よりも0.3%低下した。

↑上の画面で分かるようにフルタイム勤務、つまり正規雇用者数が減少してパートタイム労働者数が増えた。
また、マルチジョブ、つまり2つ以上の仕事を掛け持ちしている人の数字が増えている。

これでも良い数字といえるのか?

イエレン財務長官、米経済はソフトランディングを達成した

イエレン米財務長官は5日、米経済はソフトランディングを達成したとの見解を示した。労働市場に著しい打撃を及ぼさずに高インフレが抑制されるのは、歴史的に見て異例。

  イエレン氏はCNNとのインタビューで、「今見られる状況はソフトランディングと表現できると考える。これが続くことを期待している」と述べた。

  昨年12月の米雇用統計では雇用者数の伸びが加速し、賃金の上昇率は市場予想を上回った。米利下げ時期が迫っているとの観測が後退した。

米雇用者の伸び加速、賃金は予想上回る上昇-労働市場の堅調持続 (4)

  「賃金の伸びは今や物価上昇率を上回っている」と同氏は発言。「米労働者は前進しており、中所得世帯の進展が非常に顕著だ」と話した。

  米金融当局がどう進むべきかについてはコメントを控えたが、当局は金融政策をうまく運営してきたと、イエレン氏は指摘。

「労働市場と景気、インフレがたどってきた軌道は、同当局による一連の決定が適切だったことを示唆している」と続けた。

この記事の考察

イエレン財務長官がこの発言をするのはチョット早かったのではないだろうか?

確かに経済指標と株価は良い数字を出している。

しかし、経済指標が米政府にとって都合の良い数字を意図てきに出している。
株価は利下げを見込んで上げている。

FRBと米政府はアメリカの国債を買って貰いたい。

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