中国版QE復活か、不動産危機打開に向け人民銀が姿勢転換の可能性
by Bloomberg
- PSL通じて最低1兆元の低金利資金を建設プロジェクトに提供も
- 伝統的手段は使い尽くされ、残るのは非伝統的ツールだけだと専門家
中国人民銀行(中央銀行)は不動産危機の深刻化で、長く批判してきた政策手法である量的緩和(QE)の方向に追い込まれている。
人民銀はいわゆる担保付き補完貸し出し(PSL)を通じて少なくとも1兆元(約21兆円)の低金利資金を建設プロジェクトに提供する可能性があると、ブルームバーグ・ニュースは報道。同プログラムの下、人民銀は(融資を担保として受け入れることで)住宅やインフラ部門への融資に充てる安価な長期資金を政策銀行に提供している。
利回り押し下げに向けた大規模な債券買い入れを伴う米連邦準備制度などのQEプログラムとは異なり、中国版はより的を絞ったものだ。PSLは2014-19年に住宅建設に向けた資金調達に活用された。それが資金創出と人民銀のバランスシート拡大につながり、一部エコノミストの間で中国版QEと呼ばれた。
野村ホールディングスの中国担当チーフエコノミスト、陸挺氏は「これだけ政策が緩和され、刺激策や救済策が講じられてもなお、不動産セクターは明らかな改善を見せていない。伝統的な手段は全て使い尽くされ、残っているのは非伝統的ツールだけだ」と指摘。「未完成の住宅プロジェクトを救済するため中銀の資金を使う可能性が高まっている」との見方を示した。
最盛期に中国経済の約4分の1を占めていた不動産セクターは依然として低迷しており、10月の新築住宅価格はここ8年間で最大の下落率となった。住宅ローン金利の引き下げや購入条件の緩和、デベロッパーへの金融支援といった従来の政策措置では状況を好転させることができなかった。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の試算によると、融資や販売による資金調達が減少し、流動性圧力の高まりに直面しているデベロッパーが、短期債務を返済し、完工前に販売された住宅を完成させるためには年内に18兆9000億元が必要だという。これは国内総生産(GDP)の15%に相当し、24年も同程度の資金不足となる見通しだ。
人民銀は世界各国・地域の中銀のQE政策に長く反対しており、できるだけ長期にわたって「正常な」金融政策を維持すると表明している。人民銀にファクスでコメントを求めたが、返答はなかった。
この記事の考察
中国経済が破綻、又は大恐慌に向かっているのは間違いない。これだけわがままなことにを他の国々に対して行ってきたツケである。
世界中の名だたる企業が中国から投資を引き上げている。
コロナショック、ウクライナ侵攻によって気付かされたサプライチェーンの弱さ。
生産価格が安いというだけで世界の工場となり、急速に技術と富が中国に集まった。
その結果アメリカを代表する企業が国家なみの経済力を持ってしまった。つまり、富豪は大富豪となり、貧富の格差はますます広がった。
日本は置いて行かれた。30数年間デフレとなり、この先もますます円安になっていくだろう。
世界中から嫌われる中国、しかし、中国経済が破綻したら、世界経済は大不況になるでしょう。
この道を通るしかない。今なら大不況で済む。
Great Reset
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