米リセッション

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米リセッション確率高まる-ゴールドマンとJPモルガンの市場モデル

by Bloomberg

先週のウォール街に恐怖をもたらした市場の大混乱を受け、金融市場が示すリセッション(景気後退)確率が高まっている。

  リセッションの可能性はまだ低い。しかし、ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースのモデルは、米国債や景気敏感株の動向から判断して、市場が予想するリセッション確率の大幅上昇を示している。

  ゴールドマンによると、株式市場と債券市場の両方を加味したリセッション確率は41%と、4月の29%から上昇。最近の急上昇は米利下げペースがより積極的になるとの見通しと景気敏感株の鈍いパフォーマンスが要因となっている。JPモルガンの同様のモデルでは、確率は31%と、3月末の20%から上昇した。米国債の大幅な動きが影響した。

JPモルガンのストラテジスト、ニコラオス・パニグリツグルー氏は同行のモデルにおける景気後退リスクについて、7月の雇用統計が雇用鈍化を示して以来の利下げの織り込み具合を反映していると語った。株式市場が示す景気後退の確率は2割だが、それは株式相場が最高値を記録した時に織り込まれていたゼロから上昇したものだと述べた。

  さらに「米国の信用市場と株式市場は、米国の金利市場と切り離されているように見える」と指摘。「次回の8月の米家計調査が7月と同様に低調で、景気後退説が強まるようなら、株式・クレジット市場が金利市場に追いつくには大幅な下落が必要になるだろう」と語った。

2日に発表された7月の非農業部門雇用者数が予想を下回ったことで、連邦公開市場委員会(FOMC)が金融緩和を開始するまでに時間がかかりすぎたとの懸念が高まり、景気減速の懸念が強まった。統計は雇用の減少を示したが、月間雇用者数は依然として10万人を超えており、経済の健全性を示すさまざまな指標は、差し迫った景気後退を警告していない。例えば、中小企業の楽観度指数は7月に2年ぶりの高水準に達したばかりだ。

米失業率またも上昇、雇用者数は予想以上に減速-9月利下げ固まる (3)

  さらに、エコノミストのリセッション予想は大幅には上昇しておらず、コンセンサスは2023年に70%近くに達した後、今年4月以降は30%にとどまっている。

S&P500種株価指数は7月中旬に付けた最高値から4%余り下げ、大型ハイテク株比率の高いナスダック100指数はピークから8%余り下落している。

  ゴールドマンとJPモルガンの株式モデルが示すリセッション確率よりも金利市場が示す確率の方が高くなっている。ゴールドマンのモデルによれば、政策金利の12カ月後のフォワードレートは、今後1年間に景気後退が起こる確率を92%とし、JPモルガンによれば、5年物国債利回りの動きは、景気減速の確率を58%と示している。

  それでも、クレジット市場や住宅ローン市場には落ち着きを取り戻すシグナルがたくさん出ており、リスクレベルはそれほどの懸念を示していない。

  ゴールドマンの資産配分調査責任者、クリスチャン・ミューラーグリスマン氏は、同社の市場モデルによって景気後退の可能性が高まったにもかかわらず、同社のエコノミストは景気後退の可能性を25%としかみておらず、「これはまだ比較的低い」と述べた。

この記事の考察

アメリカの4大銀行のうち2社がリセッション入りの予想を出してきています。

ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースです。

債権市場では既に金利を引き上げた状態を織り込んだ取引となっています。

FF金利の影響を最も受ける米国債2年債利回りが7月の4.7%から3.94%にまで下がっています。

9月18日のFOMCでの利下げが0.25%になるか、0.5%になるかはまだ分かりません。

↑はCME FEDWATCH TOOLです。
9月18日のFOMCでの利下げ確率は0.25%の利下げが46.5%、
いきなり0.5%の利下げが53.5%となっています。

利下げをしないという確率はもうありません。

そして、その後のFOMCでさらに利下げをすると予想しています。
予想の中央値をとると、今年の利下げは1%となります。

通常は0.25%ずつ利下げをしていきます。
これをいきなり0.5%やるということはFRBの対応が遅いと認める事になります。

コロナショック後のインフレ退治が後手に回った結果が急ピッチの利上げでした。

これの逆バージョンが今回も起こるとなると、FRBの信用力にかかわります。

ただ、債権市場では米2年債利回りが7月当初から0.75%低下しています。
これは既に3回分の利下げ(0.25X3)を織り込んだ事になります。

株式市場は一旦、驚いて急落しました。
しかし、また上昇してきています。
債権市場と株式市場で先の読み方が違っています。

現在の株式市場は非常に不安定です。

↑はCFD,NASDAQ100の日足チャートです。

赤色の線が200日移動平均線です。
ピンク色の線が100日移動平均線です。

暴落して一旦、200日移動平均線に達しました。
その後1週間で、100日移動平均線に戻ってきました。

ここから更に上昇するとは考えにくいです。

全ては誰かの利益のために

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