2024 4月25日 経済 NEWS

投資

円は対ドルで約34年ぶり安値を連日で更新、対豪ドルは9年超ぶり安値

by Bloomerg

24日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=154円台後半で推移し、前日に続いて約34年ぶりの安値を更新。当局の介入が警戒される155円の節目が意識される中、株高によるリスク選好から円売りが優勢となった。

  円は対オーストラリアドルで約9年4カ月ぶり安値を付けた。豪州のインフレ指標が予想を上回り、豪ドル買いが活発化した。

IG証券の石川順一シニアマーケットアナリストは、ドル・円相場は「155円を付けないと上昇が終われない雰囲気になっている」と語る。中東リスクが落ち着く中で株高が続き「リスク選好から円安圧力が強まった」と説明。とりわけ、ユーロ・円やポンド・円、インフレ指標の上振れを受けた豪ドル・円の上昇が円の重しになっていると指摘した。

  一方、当局の介入やあすから始まる日本銀行の金融政策決定会合に対する警戒が下支えしていると同氏は指摘。円のショートポジションが積み上がっており「植田和男日銀総裁から前倒しの追加利上げや、早めの国債買い入れ減額を連想させるようなタカ派的な発言が出て、円の買い戻しを誘発するリスクが意識されている面もある」と述べた。

三菱UFJ銀行米州金融市場部の藤田大志調査役(ニューヨーク在勤)は155円超えで介入が警戒されていることもあり、154円台後半での動きが続く可能性が高いと予想。その上で「米金利が低下しても株が底堅いとドル・円相場は底堅い。米金融当局の利下げに慎重なスタンスを覆すものがない限り、ドル高・円安の基調は続く」とみている。   

  オーストラリアの1-3月期の消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回る伸びとなった。先物市場では年内の利下げ織り込みが大きく後退。豪金利は上昇し、豪ドルも買われている。

豪中銀、年内利下げ観測消滅-CPIが中銀目標レンジを大きく上振れ

オーストラリアの今年1-3月(第1四半期)の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同期比3.6%と予想(3.5%)を上回った。豪統計局が24日発表した。

  1-3月のCPIは、根強い物価圧力を反映し、オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利のオフィシャル・キャッシュレート誘導目標を12年ぶり高水準である4.35%で当面維持する正当性を裏付ける数字となった。

  注目度の高いCPIトリム平均上昇率も前年同期比4%と予想(3.8%)から上振れし、中銀の2-3%の目標レンジから大きく逸脱した。

  スワップトレーダーが織り込む12月の利下げ確率はCPI発表前は約66%だったが、発表後はほぼゼロになった。豪ドルの対米ドル相場は一時0.7%高の1豪ドル=0.6530米ドルに値上がりした。

政策金利に敏感な豪州の3年債利回りは一時18ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、 4.03%を付けた。

ドイツ銀行のマクロリサーチ責任者ティム・ベーカー氏は、四半期インフレ率の数字が前年同期比3%でなく4%となったCPI統計について、「米国を悩ませるラストマイルのインフレという問題の色合いが見て取れる」と指摘した。

介入ポイントに一歩近づく円相場、植田総裁会見で2022年9月の再来も

円トレーダーは2022年9月22日の再来に身構えている。緩和的な金融政策を再確認した日本銀行の決定を受けて円が急落し、財務省が円買い介入に踏み切っただ。

  神田真人財務官の過去の発言に基づけば、1ドル=157円60銭が注目すべき重要なレベルの一つとなる。既に22年当時よりもはるかに円安が進んでおり、米国の金利もすぐに下がる気配を見せない中、日銀の植田和男総裁が26日の金融政策決定会合後の会見でタカ派的な発言をしないだけで、円はその変曲点に向かうかもしれない。

  円相場は下落を続け、24日に心理的節目の155円を34年ぶりに突破したが、今のところ財務省による円買いの兆候はない。しかし、急激な円安の引き金となり得る材料が多数ある中で、通貨当局が行動を起こせば、状況は一変する可能性がある。

日銀は26日の昼過ぎに政策声明と経済・物価情勢の展望(展望リポート)を発表するとみられ、午後に植田総裁が記者会見を行う。さらに来週は月曜(29日)と金曜(5月3日)が日本の祝日で、薄商いの中で相場が乱高下するリスクがある。

  神田財務官は先月、2週間で4%以上の円安進行は、ファンダメンタルズに沿っておらず「明らかに投機」との見解を示した。ブルームバーグの集計データに基づくと、円が157円60銭まで下落するとこの基準に達する。25日午後1時半時点の円相場は155円47銭前後で取引されている。

【視点】円介入にはボラティリティー足らず、「神田ライン」が示唆

  マネックス証券の債券・為替トレーダー、相馬勉氏は日銀会合などをきっかけに円が1ー2円下落すれば、当局が介入に動く可能性は十分あると指摘。「ただ、今のように警戒感がある中でじりじり動いているだけだとやりづらい」とし、介入で円が上昇したところで円を売ろうと待っている人も多いと話す。

この記事の考察

円安はどこまで進むのだろうか? 日本円は全ての主要国通貨に対して安い。つまり、日本が安い。

日本の平均時給は良くても1300円~1500円、大卒初任給は25万円位である。

これに対し、アメリカ、オーストラリア、の平均時給は3000円~5000円位、大卒初任給は50万円~70万円である。
この数字を聞いてビックリするようでは金融リテラシーがない。

ちなみに日本のサイバーエイジェント(4751)の今年の大卒初任給は50万円だそうだ。

日本がここまで安くなったのは政治家と経産省の責任が大きい。

米ドル、$円の為替レートが155円で日銀の介入があると予想されている。しかし、中途半端な介入は反って円安を誘発する。

日銀の実弾は世界中の投資家から見えている。ギャンブルに置いて手の内が相手に分かってしまう事は負けるギャンブルをするようなものだ。

介入の金額に限度額があるなら最初からやらない方がいい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました