2024 2月19日 経済NEWS

投資

記録的な米株上昇にリスク浮上-地政学的混乱やインフレに懸念強まる

投資家や企業の間では、中東での戦争が企業業績への大きなリスクになっているとして警戒感が広がりつつある。イスラム諸国でのボイコットの広がりで売り上げが落ち込んでいるほか、紅海での貨物船攻撃によりサプライチェーンが脅かされている。

  ブルームバーグが数百に上る決算会見を分析したところ、そうした逆風要因は米国株の記録的な上昇にリスクをもたらしている。1-3月(第1四半期)の半ばまでにおいて、紅海や「地政学」への言及は過去3カ月の合計にほぼ並んだ。

S&P500種株価指数を構成する企業の向こう12カ月の利益予想は過去最高水準にあり、アナリストらが想定以上の米経済成長と金融当局の利下げという極めて明るいシナリオを織り込みつつあることが示唆される。企業利益に対する深刻な脅威やインフレ再燃の兆候が見られれば、S&P500種を過去最高に押し上げたここ数カ月の上昇に悪影響を及ぼしかねない。

  イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争が域内のより大きな対立に広がりかねないとの懸念もあり、原油価格は今年に入り既に上昇している。同時に、イエメンの親イラン武装組織フーシ派の攻撃を受けて、貨物船は紅海とスエズ運河の通航を回避せざるを得なくなっている。

コーニツァー・キャピタル・マネジメントで「バファロー・インターナショナル・ファンド」のポートフォリオマネジャーを務めるニコール・コーニツァー氏は「地政学的な背景がリスクだ」と指摘。「こうした圧力がさらに長く続けば、企業の利幅に重しとなる可能性があるほか、コストの価格転嫁によりインフレ要因にもなり得る。このようなシナリオは予想に織り込まれていない」と述べた。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)の最新ファンドマネジャー調査でも、投資家は消費財メーカーからソーシャルメディア、貨物会社といったさまざまな業種において、地政学をインフレに次ぐ2番目に大きな株価リスクとみていることが示された。ただインフレと地政学というこの2つのリスクは関連している。調査によると、紅海や中東の情勢がさらにエスカレートすれば、原油価格や貨物運賃に対する上昇圧力が強まると見込まれている。

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先進諸国・地域の中央銀行は4年間にわたってシンクロナイゼーション(同期)を見せてきたが、世界的なトレンドに代わり国内要因が物価見通しを左右するにつれ、こうした傾向は弱まりそうだ。

  1990年代初頭にインフレ目標設定の先駆けとなったニュージーランド(NZ)は、金融政策のトレンド形成にたけているが、政策の均一性を崩すという点でもそうかもしれない。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のエコノミストらが今月28日にも実施を予想する利上げの可能性を、トレーダーは織り込んでいる。

金融政策の収れん傾向に亀裂が入る可能性はNZ以外にもある。米国では、インフレの根強さや労働市場の健全性が裏付けられたことで、早期緩和の市場観測を押し戻す金融当局の姿勢をトレーダーが受け入れた。

  昨年にリセッション(景気後退)を辛うじて回避したユーロ圏では、物価上昇圧力が予想を上回るペースで後退しており、早期緩和を求める論拠を支えている。

  スイス国立銀行(中央銀行)が来月にも利下げすると想定する投資がトレーダーに人気だ。景気下降と高インフレの両方に見舞われる英国のイングランド銀行(英中銀)は、恐らく最も厳しい状況に置かれている。

  国際通貨基金(IMF)の最新予測はこうした乖離(かいり)を浮き彫りにしている。米国の見通しが改善する一方、ユーロ圏の見通しは悪化し、英国は悲惨な数字になるという内容だ。

IMF、世界の成長見通し上方修正-米国の好調と中国の財政支援で

 日本銀行は他の多くの中銀とは別の方向に進み、向こう数カ月以内に2007年以来となる利上げを実施すると予想されている。

この記事の考察

昨年4月から始まったアメリカの株価上昇のスピードは異常である。↑上はNASDAQ100の週足チャートである。

コロナバブルで2021年、12月に高値を付けて2022年は下げ続けていた。それが2023年、7月に利上げが止まると今度は株価は上昇し始めた。

これは市場予想とは逆であった。
大半の市場予想は2023年も下落相場であった。それがAIバブルと呼ばれる「マグニフィセント・セブン」と称されるテクノロジー大手7社が引っ張ってきた。

NASDAQ100の上昇角度はコロナバブルを上回っている。これは非常に危険である。

ここに上のニュースのような地政学リスク
【中東での戦争が企業業績への大きなリスクになっているとして警戒感が広がりつつある。イスラム諸国でのボイコットの広がりで売り上げが落ち込んでいるほか、紅海での貨物船攻撃によりサプライチェーンが脅かされている】

が出てくればサプライチェーンの混乱によりバブルは弾けてしまう。

FRBは利下げどころか利上げに転じるかもしれない。

気になったコラム紹介

【コラム】一杯3800円のラーメン、日本の未来を映し出す

コラムニスト:リーディー・ガロウド

2024年2月19日 9:02 JST

日本はこの10年余り、物価と賃金の上昇という「好循環」を生み出そうとしてきた。しかし、それが成功した例は恐らく国内で数カ所しかない。 かつては眠っていたが、外国人観光客の消費によって地域経済を潤しているスキー場がそうした場所だ。

  無類のパウダースノーで有名な北海道のニセコでは、屋台の天ぷらそばが3500円と、東京のそば屋で食べる3倍以上。スキーリゾートの定番であるカツカレーは3200円、カニラーメンは3800円と、一般の日本人からしてみれば法外な値段だ。

だが、オーストラリアや米国から来た外国人観光客は自国より安く日本食が食べられると目を輝かせている。こうした観光客の消費は、過去30年間の大半において賃金を低迷させてきたデフレの連鎖を断ち切るのに一役買っている。ニセコのような観光地の時給は全国トップクラスだ。

  ディップの求人サイト「バイトル」によると、人口5000人のニセコでは平均時給が1611円と、東京都心の1560円をも上回っている。長野県白馬は1464円、「ワールド・スキー・アワード2023」で日本一のスキーリゾートに選ばれた岩手県安比高原は平均1936円だ。

  日本全国で見ると、実質賃金は2023年に2.5%減少し、比較可能な統計が1990年に始まって以来、消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年の2.8%減に次ぐ2番目に大きな落ち込みとなった。だが、外国人観光客の消費が状況を変えつつある。観光客の支出を含む外需は、15日発表された昨年10-12月の国内総生産(GDP)において唯一のプラス要因だった。日本は正しく教訓を学ぶ必要がある。

まずは、2018年の政府調査で650億円と見積もられたスキーヤーとスノーボーダーからの経済的利益を最大限に引き出す方法を考えることだ。ウインタースポーツ愛好家は、平均的な観光客よりも7万3000円多く支出している。ただ、日本の物価は非常に安いことから、訪日観光客の支出は他の多くの国よりも少ない。

  不動産エージェントのサヴィルズによれば、日本のラグジュアリーホテルはわずか56軒で、南アフリカ共和国とほぼ同じ。歴史的に日本人の顧客を念頭に置いてきた国内の観光産業は、富裕層がはるかに多い外国人を呼び込むために投資が必要だろう。

二重価格

  外国人スキー客が落とすお金の多くが日本人の手に渡らず、他の外国人に流れていることも問題だ。

  例えば、新潟県妙高高原に14億ドル(約2100億円)を投資したシンガポールに本社を置くペイシャンス・キャピタル・グループ(PCG)のように、海外投資家は今まさに成長しようとしている古くからあるリゾートの再開発に必要な資金を投じることに躊躇(ちゅうちょ)しないが、日本のデベロッパー(と銀行)はバブル絶頂期に行ったタイミングを見誤った投資の傷跡をいまだに引きずっているようだ。

しかし、もっと切迫している問題もある。日本人には高過ぎて利用できなくなることだ。昨シーズン、ニセコからほど近い北海道のリゾート、ルスツに行った際、リフト料金が35%も値上がりし8800円になっていたことに、私はショックを受けた。今年はさらに31%値上がりし1万1500円だという。

  日本のスキーリゾートとしては、かなり高額な価格設定だ。東京の最低賃金で見ると、10時間以上働かなければならない金額だが、豪州では5時間働くだけでいい。一方、この値段でさえ、コロラド州ベイルのような米国のリゾート地と比べれば数分の一であり、外国人観光客にもっと支出を促す余地があることを示唆している。

  東京でウインタースポーツ用品のメッカとして知られる神田小川町のスキーショップは、香港や米国、豪州からの旅行者でいっぱいだ。スキーヤーやスノーボーダーの数が1998年のピーク時から75%余り減少している日本人は少数派のようだ。物価の上昇に伴い、日本の中間所得者層(ミドルクラス)は圧迫されつつある。

  スキー場も工夫している。安比高原を最近訪れたとき、私は限定版の「ブラックパス」を購入するオプションに興味をそそられた。3万3000円のリフト券で、ゲレンデへの早期アクセスや優先リフトレーン、スノーモービルでしか行けないゲレンデの利用という特典付きだ。

このコラムの考察

かつて1980年代、日本人が海外でお金を使いまくっていた時代の反対が今、起きている。バブル期に日本企業が海外で資産を買いあさり、また個人ではブランド品を買いまくった。

円安になった2022年からは日本人は貧乏になってしまった。1杯、3800円のラーメンは日本人には考えられない。せいぜい7~800円位、リゾート地であっても1000円位しか出せない。

前から2重価格は外国ではよくあった。観光客向けの値段は2~3倍は当たり前であった。それが日本でも行われるということである。
貧乏人の日本人には買えない、又はサービスを受けられない価格設定である。

インバウンド事業を狙うには日本人との差別化が必要になってくる。

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