2024 1月30日 経済NEWS

投資

中国恒大の清算命令、世界の投資家が回収の行方注視-重要な試金石に

by Bloomberg

香港高裁による中国恒大集団への清算命令は、中国不動産ブームの顛末を象徴する同社の転落を決定づけた。世界の投資家にとって、債権回収の行方は中国恒大の枠を超えてはるかに大きな意味を持つだろう。

中国恒大に香港高裁が清算命令-資産は本土中心、実質的な回収困難か

  カギとなるのは、香港高裁の判決が別の司法制度を持つ中国本土でも踏襲されるかどうかだ。中国恒大の株式とドル建て債券は香港で取引されているが、2420億ドル(約35兆7460億円)相当の資産の大部分は中国本土にある。

中国恒大のような規模を持つ企業が香港の裁判所で清算された前例はなく、同社には複数の部門があり、そのプロセスは紆余(うよ)曲折が予想される。とはいえ、外国人投資家にとって不利な結果となれば、中国に対する深刻な悲観論をさらに悪化させるだけでなく、中国企業にとって不可欠な資金調達拠点である香港の役割も損なわれかねない。

   オルタナティブ・インベストメント・マネジメント・アソシエーションのアジア太平洋地域共同責任者、李可勝氏は「中国本土の裁判所が香港の裁判所の判決を受け入れるかどうか、世界の投資家が注視している」と指摘。「香港の司法判断が中国本土で実際に執行されるかどうか、重要な前例となるかもしれない」と述べた。

こうした不透明感は、常に中国共産党の利益が優先されるとの懸念が投資家の間で高まっている現状を浮き彫りにする。不動産からハイテク業界に至るまで、当局による民間産業への突然の締め付けは、景気減速を巡る懸念とともに、株価のバリュエーションに打撃を与えてきた。

 香港の破産手続きが中国で認められることは限定的で、中国の裁判所が自らの管轄で管財人を任命する可能性もある。

  プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社、カイユアン・キャピタルのマネジングディレクター、ブロック・シルバーズ氏は「清算命令が本土における中国恒大の事業や資産に直ちに影響を与える可能性は低い」と指摘。「清算人はオフショアの資産を管轄することはできるだろうが、本土でその権限は認められないだろう」と述べる。

  これに加え、中国当局者は過去に、債権者の利益よりも仕掛かり物件の完成や請負業者への支払いを優先する考えを明らかにしている。中国恒大もこれに同意しているようだ。

この記事の考察

この記事の重要なところは中国恒大の清算命令が香港の裁判所で出されたことである。中国本土からの反応はまだない。

カギとなるのは、香港高裁の判決が別の司法制度を持つ中国本土でも踏襲されるかどうかだ。中国恒大の株式とドル建て債券は香港で取引されているが、2420億ドル(約35兆7460億円)相当の資産の大部分は中国本土にある。

この部分が非常に重要である。私の考えでは自分が最優先の共産党も清算命令を出すと思われる。

しかし、債権者にはほとんど資金が帰ってこない結果となると思われる。つまり、自己責任という形で決着をつける。

中国恒大集団に投資していたのは中国人だけではない。アメリカのサブプライムローン破綻のことを思いだされる。

つまり、中国不動産投資の債権や株が様々な商品になって世界中に売られていた可能性がある。
そうなってくると、中国発の世界恐慌になりかねない。

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