2024 1月11日 経済NEWS

投資

300兆円超える日米英欧の新規国債、相場脅かす-長期債に手を出すな

by Bloomberg

昨年11月に入ったころ、債券トレーダーのチャットから突然「供給」という2文字が消えた。先進国の国債価格が連日急上昇し利回りが急落して投資家に待望の利益をもたらすと、財政赤字増大に対する不安は霧散した。

  だが、いつまで続くのだろうか。米国と英国、ユーロ圏の各国政府は今後数週間で、かつてない勢いで国債を発行するだろう。

  ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の推計によると、以前は考えられなかったような膨れ上がった財政赤字を抱えるこれらの国々は、日本と共に2024年の歳出計画を賄うために正味で2兆1000億ドル(約304兆円)の新規国債を発行する予定だ。これは前年比で7%の増加になる。

ほとんどの中央銀行が経済成長促進のための国債買い入れをやめたため、各国政府は世界中の投資家からより多くの注文を引き出す必要がある。そのためには、利回りが上がることが必要だ。

  昨年の夏にフィッチ・レーティングスが米国の格付けを「AAA」から引き下げたたことで政府債務の膨張に対する懸念が高まり、ベンチマークである10年物米国債利回りは16年ぶりに5%を超えたが、投資家呼び込みにはそのような利回り上昇が求められる。

  インフレ鈍化を背景に中銀が利下げを開始するという考えに投資家が突然とらわれ、債券売りはこのところ止まっているかもしれない。

しかし、多くの債券市場アナリストは、現在の需給力学を考慮すれば神経質な議論が再燃するのは時間の問題だと主張している。実際、債券利回りは今年に入って既に急上昇している。

  INGファイナンシャル・マーケッツのグローバル債券・金利戦略責任者、パドライク・ガービー氏は「今、市場は米連邦準備制度の金利サイクルに取りつかれている」が、「その目新しさが消えれば、財政赤字のことが気になり始めるだろう」と述べた。

国際通貨基金(IMF)のデータによると、先進国全体の公的債務は、20年前の国内総生産(GDP)比約75%から112%余りに急増している。新型コロナウイルス対策や高齢化社会に向けた医療・年金、化石燃料脱却の資金を確保するため、各国政府が借り入れを増やしたためだ。

財政赤字

  膨らむ債務残高が借り入れコストをどれだけ押し上げるかを正確に知るのは難しい。イングランド銀行(英中銀)と米ハーバード大学の研究者たちが数年前に行った共同研究は、債務残高の対GDP比率が1ポイント上昇するごとに、市場金利は0.35ポイント上昇すると結論付けた。

近年はそのような計算が成り立たないのは確かだ。例えば、米債務残高の対GDP比は今世紀に入り急上昇したが、米国債利回りは低下した。

  完全ではないものの、この研究結果には耳を傾けるべきだとガービー氏は言う。米国は現在、年間赤字がGDPの6%に達しており、これは歴史的な標準の約2倍だ。政府の利子負担が膨らみ財政赤字がさらに深刻化するという悪循環に陥るばかりか、企業や消費者の借り入れコストを押し上げ経済成長を抑制することになる。

  他の国の財政はそれほど悪くはないが、英国やイタリア、フランスなどの国々は今年も通常より大きな赤字を計上すると予想されている。

  ブラックロックは今週、英国の政治家が歳出拡大を公約に掲げて票を獲得しようとすれば、英国債の相場暴落を引き起こす可能性があると警告した。

この記事の考察

これまで私が警告してきたことがやっと記事になって表に出てきた。

特にアメリカは国債を買って貰いたい。その為には金利を魅了のある水準で維持しなければならない。

その水準が今は5%位である。この水準は株式を買った時に得られる利益をうわまらなければ魅力は出てこない。

しかし、ここで初歩的な疑問をもつ人達はいないだろうか?

誰が誰に借金をするのだろうか?今回の例に当てはめるとアメリカ政府は誰に借金をするのだろうか?

市場?、他の国?。

答えは両方です。QEの時はFRBがアメリカの国債を買っていた。今は買っていない。

他の国でいうと、日本と中国です。でも変な話です。日本は世界一の借金大国です。日銀がQEを続けて日本の国債を買っています。その上で日本国がアメリカの国債を買っているのです。

我々、庶民の税金を上げて、それでも予算が足らないから国債を発行して日銀が買い入れ、その上でアメリカ国債も買っている。


それで、誰が儲けるのか。それは$を自由に発行できる団体を操っているごく一部の人達です。

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