【米国市況】株7日続伸、米金融当局のけん制に動ぜず-150円40銭台
by Bloomberg
- S&P500種は21年11月以来2年ぶりの上昇局面-ハイテク株高い
- 米国債利回り低下、3年債入札が堅調-週内残りの入札に楽観広がる
7日の米株式相場は続伸。S&P500種株価指数は大手ハイテク株が主導する形で7営業日続伸し、8日連騰を記録した2021年11月以来の上昇局面となった。米金融当局者が相次いで市場のハト派姿勢期待をけん制する発言を行ったが、大きな材料とはならなかった。
S&P500種は取引開始序盤は上げ下げを繰り返す展開だったが、その後は上昇を保ち、一時4400の節目に近づいた。大手ハイテク株が多いナスダック100指数は0.9%上昇。マイクロソフトは上場来高値を更新した。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの米州担当最高投資責任者(CIO)、ソリタ・マルチェリ氏は「株式の最近の動きは、投資家の悲観論が行き過ぎだったというわれわれの見方と整合的だ」と指摘。「株式に対する短期的な向かい風を引き続き予想するが、向こう6-12カ月ではプラスのトータルリターンを得られる条件が整っている」と述べた。
マクロ経済への懸念が膨らむ中で、株式相場の上昇が続いている。
ニューヨーク・ライフ・インベストメンツのエコノミスト兼ポートフォリオストラテジスト、ローレン・グッドウィン氏は、米金融当局は利上げサイクルを終えた可能性があるとした上で、市場に漂う安心感は「リセッション(景気後退)に向かう途上の休止」に過ぎないと懸念を示した。
複数の米金融当局者が、インフレ率を目標の2%に完全に押し下げることに注力している姿勢を強調。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、金融政策当局はまだインフレとの闘いに勝利していないと述べ、必要となればさらなる引き締めを検討するだろうと話した。シカゴ連銀のグールズビー総裁は、金利の決定について「あらかじめコミットする」ことを政策当局者らは望んでいないと指摘した。
米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は、インフレ抑制のためには利上げが必要になるだろうと今も考えているとしながらも、9月からの米国債利回り急上昇が金融環境を引き締めていると付け加えた。ウォラーFRB理事は米国債利回りについて「7月末から大きく上昇し、1ポイント近く上げた。中央銀行、および金融市場ではこれは地震に相当する」と述べた。
BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者、イアン・リンジェン氏は「最近の金融環境の変化を巡る政策当局者の考え、および10年債利回りの50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近い低下と、株式バリュエーションの力強い回復が金融政策の経路にどのような意味を持ち得るのかという点に、われわれは特に注意を払う」と述べた。
この記事の考察
S&P500種株価指数は大手ハイテク株が主導する形で7営業日続伸した。市場には楽観論が広まっている。長期金利が下がり始めたことによるものだ。
しかし、これは過去の例でいうとリセッションRecessionに向かう途中である。
Great Reset
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