「目が離せない」米国債急降下の好機-ヘッジファンド創業者も不寝番
by Bloomberg
- 「債券市場に参入するには、恐らく過去20年で最良の時期の一つだ」
- バンサーリー氏は夜中も2時間おきに起きて相場をチェックする
ヘッジファンド運営会社ロングテール・アルファの創業者ビニア・バンサーリー氏は、金融市場でかつて最も静かな場所の一つだった米国債が最近頭から離れず、睡眠があまり取れていない。
長い間穏やかだった市場でボラティリティーが急激に高まる中で、バンサーリー氏は自らのファンドに他のストラテジーから軸足を移し、米国債への集中を強化するよう指示した。同氏によれば、ロングテールは現時点で債券を頻繁に売買し、1年前の4倍の取引を行っている。
スクリーンに1日中くぎ付けになっているバンサーリー氏だが、夜中も2時間おきに起きて、相場をチェックする。「債券市場に参入するタイミングとして、今は恐らく過去20年で最良の時期の一つ」という。
金融緩和時代のピークにおいて、米連邦準備制度は月1000億ドル(現在の為替レートで約15兆円)を上回るペースで、リターンにかかわらず国債と住宅ローン担保証券(MBS)をやみくもに買い入れ、満期まで保有した。取引は閑散となり、利回りは来る日も来る日も最低水準に張り付いた。ヘッジファンドはより多くの利益が見込める高リスク投資に引き付けられ、米国債をおおむね避けた。
しかし、今や連邦準備制度はバランスシートのランオフ(償還に伴う保有資産の減少)を許し、市中金融機関もアウトライトで保有資産を売却している。消費者ローン金利が一層高くなる恐れがあり、景気全体の脆弱(ぜいじゃく)性が増す一方、バンサーリー氏のような投機家にとって、米国債の状況は好ましいものとなった。
これら「ファストマネートレーダー」は、はるかに価格に敏感で、原油相場上昇や連邦準備制度当局者の何げない発言、失業率の変化といったごくわずかな誘因をきっかけにより素早く債券ポジションから手を引く。
ファンド運営会社パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントを率いるビル・アックマン氏は、米国債相場の下げ方向への賭けを過去数カ月にわたり公然と行ってきたが、10月23日時点で「最近のデータが示唆するより速いペースで米景気が減速しつつある」との認識を示し、米長期国債のショートポジションを手じまったと明らかにした。
この記事の考察
米国債、特に長期国債はこれ以上の価格下落はないとビル・アックマン氏は思っているようだ。
但し、このニュースは公然されているものに過ぎない。自分のポジションを公開する必要はない。
つまり、本当の所は分からない。ただ、この先米経済は失墜する方向にいくのは間違いない。
問題はこの時期である。2023年、7月を今年のピークと見れば既に10%下がっている。ここからさらに、30%のダウンは免れない。
Great Reset
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