英中銀総裁の利下げ方針、FRB議長とは一線画す公算-9日政策決定
by Bloomberg
イングランド銀行(英中央銀行)は、今夏に利下げする方針かどうかについて、より明確なシグナルを向こう1週間に示す可能性がある。
9日の金融政策決定に先立ちベイリー英中銀総裁は、英国のインフレ低下の進展を示す「強力な証拠」に言及しており、消費者物価上昇圧力が再燃する米国と英国との間に一線を画している。
エコノミストの間では英中銀は政策金利を16年ぶりの高水準である5.25%に据え置くとの見方が大勢。政策当局が6月あるいは8月を利下げ開始の機会と見るのか、そのヒントに投資家は注視するだろう。
予想を上回る強いインフレ・データが発表されたことで、トレーダーは英利下げ開始時期の予想を9月まで先送りし、完全に織り込まれた年内利下げの回数は1回のみとなっている。
しかし、4月にベイリー総裁とラムズデン副総裁がハト派的トーンに転じたことで、一部エコノミストは英利下げ開始時期は米金融当局よりも欧州中央銀行(ECB)が行動する時期に近い可能性があると受け止めている。ECBは6月に行動すると広く予想されているが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は金融緩和のスケジュールの提示を避けている。
ベイリー総裁は、今後発表される4月の英インフレ率が目標の2%に近い水準に低下すると予想しているが、金融政策委員会(MPC)メンバーの一部は依然として基調的な物価上昇圧力を懸念している。
今週は英中銀以外では、スウェーデンとオーストラリア、ブラジルなどの中銀の政策決定が予定されている。
イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は16日、英米両国経済におけるインフレのダイナミクスは乖離(かいり)しつつあると語り、英国が米国より先に利下げを行い得る可能性を示唆した。
米国では先週、予想以上に強い物価統計が発表されており、ベイリー氏は米国には英国を上回る「需要主導型のインフレ圧力」が存在すると指摘。英国の物価上昇圧力が後退しつつある「強い証拠」があるとも述べた。
国際通貨基金(IMF)とのインタビューでベイリー氏は、「インフレのダイナミクスは、欧州と米国とではかなり異なっている」と指摘。英国では「大きな供給ショック、戦争の影響、新型コロナウイルスの影響からの回復といった過程の延長がまだ見られている」と語った。
この発言は、ベイリー氏が3月の米消費者物価統計で見られたようなインフレ圧力の再びの強まりが英国でも起こる恐れはほとんどないとみていることを示唆する。最近のインフレデータから判断して、金融当局が利下げに必要な確信を得るのにはより長い時間がかかる可能性が高いとの考えを同日示した米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長とは対照的だ。
英中銀による最初の利下げ時期について市場は現在、9月でほぼ織り込み済み。市場では、年内の利下げ幅は41ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)にとどまると見込まれている。
マン、 ハスケル、グリーン氏ら英中銀金融政策委員会(MPC)メンバーはインフレ圧力について懸念が残ると警告している。16日発表された統計では、賃金の伸びは6%と予想を上回るペースとなった一方で、失業率は予想外に上昇していることが示された。
エコノミストらは、17日に発表される3月のインフレ率は3.1%と、2月の3.4%から鈍化を予想する。
ベイリー氏は、物価圧力が後退する中、世界経済にとって「非常に心強い兆候」が見られると語った。
この記事の考察
世界の中央銀行の中でどこが最初に利下げをおこなうのか?に市場の注目は集まっている。日銀は関係無い。日銀は蚊帳の外である。
FRB,ECB,英中銀、この3の中で英中銀はECBと同時期に利下げを行うのではないかと予想されている。時期は9月である。
インフレが再燃しているアメリカと違って英国とEUにはインフレが来ないと予想している。
しかし、そうだろうか?
中東戦争により原油価格、エネルギー価格の上昇が見られる。ウクライナ侵攻もまだ終わっていない。なのに天然ガスの価格は下がってきている。ロシアがこの根っ子の部分を抑えている限り、EUのインフレの動向はプーチン氏次第ということになる。
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