2024 3月24日 経済 NEWS

投資

日本株ブームは終わらない、企業業績信頼で17年ぶり利上げにもめげず

2007年以来となった日本銀行による利上げも、日本株相場の記録的な騰勢を鈍らせることはなかった。輸出と内需セクター双方の企業業績が良好で、先行きに対しても強気の投資家は安心感を持ち続けているためだ。

日本政府高官は過度な為替市場の動きに対し行動を起こすと再三警告しているものの、足元で進む円安は輸出セクターの収益を押し上げ、日本株の活況につながっている。また、日銀が利上げに踏み切る要因になった日本経済のデフレからインフレへの転換は、内需セクターにとってプラスだ。ただ、賃金の上昇が続かない限り、生活コストの上昇がいずれ家計に打撃を与えることになる。

BofA証券が実施した最新のアジアファンドマネジャー調査によると、パラダイムシフトを理由に日本は機関投資家からの人気が最も高く、日本の景気に対しては全体の67%が今後1年で「強くなる」と予想している。一方、最近の株高が急ピッチだったため、今後1年間の期待リターンについて3月は「ゼロ~プラス5%」と回答する向きが最も多かった。2月は「プラス5~10%」が最多だった。

  また、BofAでは東証株価指数(TOPIX)採用銘柄の1株当たり利益(EPS)について、25年3月期の伸び率を9%、26年3月期を8.3%と見込んでいる。

BofA、日経平均の年末目標4万3500円に上げ-インフレ経済へ転換

 日本経済が長年のデフレから脱却し、転換期を迎えている兆候は各種データから確認することが可能だ。日銀は17年ぶりの利上げに踏み切り、生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)などの数字はインフレの加速を裏付けている。上場企業経営者の株主還元姿勢の変化や円安進行もあり、グローバル投資家が日本への投資を積極化した結果、日経平均株価は2月に1989年に付けた史上最高値を30年以上ぶりに更新した。

半世紀以上にわたり日本株投資に携わるノースアイランド投資顧問の白石茂治代表取締役は、日経平均は「4万5000円であれば、年内の可能性はかなり高い」とみている。海外投資家と国内投資家が同時に日本株に好意的な反応を示すことはまれで、「そういう意味では株式需給面は良くなっている」と言う。

  投資家が次に気にしているのは、日銀が追加利上げに踏み切るタイミングだ。ブルームバーグの調査によると、エコノミストら47人のうち約62%が10月までに日銀は再利上げに動くと予想している。

  JPモルガン証券クオンツストラテジストの高田将成氏は「短期金利ゾーンで追加利上げ観測が強まれば、今後の市場環境に影響を及ぼす」と分析。株式市場では内需関連株を買い、外需関連株を売る「日銀追加利上げトレードが増えそうだ」と読む。

投資家らが日本の経済成長の恩恵を受ける日本企業に照準を合わせていることは確かだ。日本株投資に特化するエバーリッチ・アセット・マネジメントは、日銀のマイナス金利解除後も銀行株や建設株への追加投資を検討している。運用資産194億円(19日現在)の同社の「ニッポン・グロース・ファンド」は大手ゼネコンの大林組鹿島の株式を保有しており、今年のパフォーマンスは競合ファンドの98%に対し上回っている。

日銀政策変更で高成長時代到来、銀行や建設株買い増し-エバーリッチ

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹氏は「日本の賃上げが進むと実質購買力が上がり、内需企業の方に大きなメリットが出てくる」と分析。内需関連セクターは、夏には好転するとみている。

  ただし、日銀は利上げに踏み切る一方、国債買い入れの継続や低金利を維持する姿勢も同時に示しており、このままインフレが定着し、日本の内需セクターが明るくなるかどうかについて懐疑的な見方があるのも事実だ。実際、日銀が利上げを決めた19日の金融政策決定会合以降の為替市場では、円安が加速した。

独立系調査会社の智剣・Oskarグループの最高経営責任者(CEO)、大川智宏氏は「日本の国民性を考えると、給料が少し上がったからといって消費に回るかといえば、そうでもない」と言う。内需が振るわない中で無理に賃金を上げれば、労働分配率は低下し、「結局企業の収益や利益が圧迫される」と警戒している。

     金融の引き締めは内需を減退させ、借り入れや投資コストを引き上げることでインフレ圧力を弱める可能性があるが、企業や家計のバランスシートは強固な上、政府には強力な資金調達の柔軟性があり、日本ではそうした影響は限定的だろうと格付け会社のフィッチ・レーティングスはリポートで言及している。

この記事の考察

経済アナリストのほとんどが日本株の上昇について、今回は違うと言い出した。

だが、ドル建て日経平均はまだ史上最高値を更新していない。

実質賃金が上がっておらず、一般庶民は株価上昇の恩恵を受けていない。

誰かが言っていたが(床屋のオヤジが株の話しをしだしたら、そろそろ限界、危ない。)

日経平均のオプション、来週は41000近辺に沢山ある。ここを簡単に突破出来れば42000円もありうる。

只今、無収入で記事を書いています。サポートしていただける方は↓下のボタンからお願い致します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました