4 MAR.2025 経済 NEWS
3日のアメリカ市場は大暴落しました。

4日に対メキシコ、カナダに対して25%の関税を賦課する予定です。
また、中国に対しても10%ではなく20%の関税を賦課すると脅しています。
加えて対、日本と中国に対して通貨安を是正するように警告しました。
これでドル円の為替レートが151円台から149円台へと一気に円高に振れました。

株式市場では関税が賦課された後のことを考えています。
アメリカの物価が結果的には高くなってそれを一般消費者が払うことになるのではないかと。
つまり、インフレが再燃するリスク、経済が停滞、下落するリスクを考えています。
3日のアメリカ市場では特にテック株と半導体企業の下落が目立ちました。
SOX指数は4.01%の大暴落です。
Bloombergでは以下のようなニュースが出ています。
【米国市況】S&P500が今年最大の下げ、国債上昇-149円台に急伸

3日の米株式相場は大幅安。経済指標が低調だったほか、トランプ米大統領が主要貿易相手国に対する関税賦課の姿勢を改めて示したことで、ウォール街のリスク許容度が再び圧迫された。S&P500種株価指数が今年に入り最大の下げとなった一方、国債は上昇した。円は午後に上げを拡大し、一時1ドル=149円台前半を付けた。通貨に関するトランプ氏の発言に反応した。

S&P500種は午後に下げ幅を拡大。トランプ大統領は、メキシコとカナダに対し4日に発動予定の25%関税の停止を交渉する「余地は全くない」と述べた。またホワイトハウスは、トランプ氏が中国に対し、10%ではなく20%の関税を賦課する措置に署名したと明らかにした。大型のハイテク株が大きく下げたことも全体の重しとなった。ハイテク大手7社「マグニフィセント・セブン」の指数は3.1%安となった。
ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・コスティン氏は、経済を巡る懸念が広がっており、S&P500種に回復の動きが見られたとしても一時的なものになる可能性が高いとの見方を示した。
コスティン氏は、S&P500が先週、一時的に年初来の上げを消した際に投資家はエクスポージャーを減らしたが、それでも「戦術的な株価上昇」を示唆するほどのエクスポージャーの低さではまだないとリポートで指摘。「最近の株低迷を完全に覆すためには米国の経済成長見通しの改善が必要だ」と記した。

ロンバー・オディエ・インベストメント・マネジャーズのフロリアン・イエルポ氏は「市場では米国の景気減速に対する懸念が高まっている」と指摘。「慎重姿勢を呼び掛けるメッセージに耳を傾ける必要がある。7日の雇用統計の内容次第では、マクロ面でのモメンタム悪化が相場の上昇を抑制する可能性がある」と述べた。
ゴールドマン・サックスのスコット・ルブナー氏は、相場回復を持続できるだけの強い需要が米国株にあるとは確信できないと指摘。投資家に対し、「最も確信の持てる質の高いテーマの下で機敏に動く」ことを推奨した。同氏は2月、リテール投資家と機関投資家の買いが失速する中で、米株式市場は調整相場入りする可能性があると指摘していた。
顧客リポートで同氏は、米株相場が安値を付ける可能性のある日として3月14日が「際立っている」と記した。
国債
米国債は上昇。朝方は一時下げていたが、米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数が低調な内容となったことを受けて上げに転じた。午後に関税を巡るトランプ氏の発言が報じられると、上昇を拡大した。

為替
外国為替市場ではドルが下落。一方で、ユーロはアウトパフォームした。欧州での防衛費増額に対する楽観が広がった。英国やフランス、イタリアを含む欧州の数カ国は、「戦後」ウクライナの安全保障に向けて、英国が提唱する「有志連合」の結成を試みている。円は1ドル=149円台に上昇した。


トランプ氏、カナダやメキシコなどに関税措置発動-中国は直ちに報復

トランプ米大統領は東部時間4日未明(日本時間同日午後)、カナダとメキシコからの輸入品に新たに関税を賦課し、中国からの輸入品への関税率を倍に引き上げる措置の発動に予定通り踏み切った。米国としては1930年代以来の大規模な関税措置で、貿易戦争の劇的なエスカレーションによって、主要貿易相手国との関係を覆すことになりそうだ。
具体的にはカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課し、中国産品については関税率を現行の2倍の20%とする。カナダからの輸入のうちエネルギーには10%の関税率を適用する。全体で年間約1兆5000億ドル(約223兆円)相当の輸入品が対象となる。
新たな歳入を確保するとともに、国内で製造業雇用を創出するため、輸入関税を活用する方針に揺るぎがないことを市場に明確に示す動きとなるが、関係各国による報復や法的措置を招く公算が大きい。
実際、中国は鶏肉や綿花などの米国産品に最大15%の関税を課し、大豆や牛肉、果物には10%の関税を賦課すると、米国の措置発動直後に発表した。また、防衛関連を中心に米企業10社を「信頼できないエンティティー」リストに追加するとした。

トランプ氏自身が政権1期目に再交渉した「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の先行きが危ぶまれ、北米3カ国にサプライチェーンが交錯する自動車産業に大きな影響が予想される。
さらに、米国では製造業活動に停滞の兆しが見られ、消費者景気信頼感が悪化する一方で、インフレ抑制の進展は滞っている。米株価も他国・地域に見劣りする状況にあって、トランプ政権による一連の関税措置は米経済のストレスを一層高めるリスクがある。
トランプ氏が3日、カナダとメキシコについて、一時的猶予を交渉する「余地は全くない」と述べたのを受け、米株式市場では売りが加速し、S&P500種株価指数は1.8%安で終了。4日のアジア市場にも株安の流れが波及した。外国為替市場では、カナダ・ドルとメキシコ・ペソが対米ドルで下落した。トランプ氏は両国に対する関税賦課を2月にいったん延期していた。
米エール大学の超党派政策研究センター「the Budget Lab at Yale」が3日公表したリポートによれば、今回の措置の結果、米国の輸入関税率は平均で1943年以来の高水準となる。米家計には最大2000ドルの負担増となり、特に各国の報復があれば、米景気の大幅鈍化につながるとしている。
報復措置は迅速で、カナダ政府は3日遅く、米国製製品に対する包括的な対抗措置を発表した。その第1弾は、米国からの輸入品約300億カナダ・ドル(約3兆860億円)相当に対する25%の関税で、米国の課税と同時に発動される。同率の第2弾は3週間以内に1250億カナダ・ドルの製品に課される予定で、そのリストには自動車やトラック、鉄鋼、アルミニウムなども含まれる。
トルドー首相は3日夜の声明で、「カナダはこの不当な決定を放置しない」と指摘。同国の報復計画は、トランプ氏が広範な関税を課す大統領令に署名した後に発表したものと同じだ。
メキシコのシェインバウム大統領は3日、報復措置を打ち出す前にトランプ氏の決定を待つと言明。また中国商務省は、米国の関税に対して自国の権利と利益を守るために必要な対抗措置を取るとする声明を発表していた。
バイデン前政権の経済運営に対する有権者の不満が、トランプ氏のホワイトハウス返り咲きの原動力の一つとなっただけに、新たな関税措置は危険な一手と言えそうだ。最近の世論調査では、有権者がトランプ氏にインフレ対策強化を望んでいることが示された。
関連記事:景気を懸念する米国民、トランプ大統領に対策強化求める-世論調査
トランプ氏の関税政策を巡っては、インフレ加速を招く一方、同氏やその盟友が予想するような歳入増にはつながらないと複数のエコノミストが警告。だが、政権1期目に成立した減税の延長を目指すトランプ氏はこうした懸念を一掃してきた。
なおトランプ氏は米東部時間4日夜(日本時間5日午前)に上下両院合同会議で演説し、政権2期目の優先施策を打ち出す予定だ。
トランプ氏、日本や中国が通貨安政策取るなら米国は「不利な立場に」

トランプ米大統領は3日、日本と中国が通貨安政策を取るなら米国は「不当に不利な立場に置かれる」と述べた。この発言を受け、円は対ドルで上昇した。
トランプ氏は中国と日本を例に挙げ、こうした国々に関税を課すと示唆。ホワイトハウスのイベントで発言したもので、円は一時1ドル=149円11銭とこの日の高値を付けた。米国株が売られ、安全資産として円の魅力が高まった。
トランプ氏は暗号資産(仮想通貨)の戦略備蓄に関して演説後に記者団の質問に答え、日本が円を押し下げて、中国が元を押し下げれば、「われわれは極めて不当に不利な立場に置かれる」と指摘した。ブルームバーグ・ガバメントが伝えた。
具体的には鉱業・建設機械大手の米キャタピラーに言及し、日本や中国などの国々が自国通貨を押し下げれば、米国でトラクターを製造するのは「とても困難になる」とコメントした。
その上で、中国の習近平国家主席や「日本の指導者」に電話し、米国にとって不公平であることを理由に、「通貨を押し下げ続けることはできないと話した」とし、ラトニック商務長官に対し「関税率をやや引き上げなければならなくなるだろうと、私から言う必要が生じる」と語った。
また、習主席や他国の指導者に何度も電話をかけて、こうした国々が自国通貨を押し下げている点を何度も指摘してきたと主張し、そうする代わりに「これを非常に簡単に解決する方法は関税だ」と述べ、「彼らがそうするなら、われわれは関税で埋め合わせる」と話した。イベントにはラトニック氏も同席した。
一方、トランプ氏が中国からの輸入品に対する関税率を現行の2倍の20%とする措置に署名したとのホワイトハウスの発表を受け、中国のオフショア人民元は対ドルで下落し、一時0.2%安の1ドル=7.3067元とこの日の安値を付けた。
このほか、トランプ氏がカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を新たに課す方針をあらためて確認したことを受け、カナダ・ドルとメキシコ・ペソも対米ドルで下落。カナダ・ドルは一時0.5%安の1米ドル=1.453カナダ・ドル、メキシコ・ペソは0.9%安の1米ドル=20.75ペソで取引された。
関連記事:トランプ氏、対カナダ・メキシコ関税で交渉の「余地全くない」 (1)
他方、ホンダが米関税を回避するため、次期「シビック」のハイブリッド(HV)モデルの生産をメキシコではなく、米インディアナ州で行う方針だと報じられたことに関する質問に、トランプ氏は今後4年間で米国内に5000億ドル(約74兆7000億円)を投資する計画を発表した米アップルにも言及した上で、「素晴らしいことだ」と評価。「われわれが今目の当たりにしているようなことを米国がこれまでに経験したことはないだろう」と語った。
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