日銀、今回は利上げせず

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1 NOV.2024 経済NEWS

31日、日銀の植田総裁は金融政策決定会合で金利を0.25%に据え置くことを発表しました。

日銀展望レポートは次の通りです。

植田総裁の会見中に円高が進んで行きました。これは記者会見で「時間的余裕」を今後使わないと発言したことが要因となっています。

市場はこの言葉の意味を【次回には金利を上げる〕と解釈したようです。

Bloombergからは以下のようなニュースが出ています。

【日本市況】円上昇、物価上振れリスクと日銀-総裁会見中に一段高

31日の日本市場では円相場が対ドルで上昇。日本銀行は予想通り金融政策を維持したが、来年度物価の上振れリスクの記述を維持して円買いにつながった。植田和男総裁の会見中に「時間的余裕」を巡る発言で一段高となっている。

日銀が政策金利を維持、海外経済・市場動向の影響見極めと明記

円相場は1ドル=152円台前半と前日比で上げを広げている。31日の金融政策決定会合で日銀は政策金利の無担保コール翌日物金利を0.25%程度で維持することを決めた。同時に経済・物価情勢の展望(展望リポート)の物価見通しで2025年度は「上振れリスクの方が大きい」との記述を継続した。日銀はそれほどハト派的ではなかったと受け止められ、円買い・ドル売りが優勢になった。株式は売りに押され、債券は上昇した。

 日銀は金融正常化の姿勢を継続しており、追加利上げの時期を巡る市場参加者の思惑が相場を動かす。米国では雇用統計や金融政策決定、大統領選が迫り、結果次第で12月や来年1月の日銀会合での利上げ確率が上下する。衆議院選挙での与党過半数割れは政権運営の不安定化を通じて金融政策維持の方向に作用している。

  みずほ証券の松尾勇佑シニアマーケットエコノミストは、経済・物価情勢を日銀は「オントラック」とみているとして「ボードメンバーが近い将来の追加利上げを視野に入れている状況に変化はなさそうだ」とリポートで指摘。早ければ12月会合で追加利上げに踏み切ると予想した。同時に政府から支持が得られにくくなる可能性もあり、追加利上げが来年1月にずれ込む要因の一つになり得ると付け加えた。

金融政策見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)での日銀の0.25ポイント追加利上げ予想は、現時点で12月会合が27%、来年1月会合まででは64%になった。

  日銀の植田総裁は記者会見で、物価や経済の見通しが実現していけば政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整すると述べた。為替相場については、過去に比べ物価に影響が大きくなっているなどと語った。また8月から使っている政策判断での「時間的余裕」について、米経済がもう少しいい動き続けば表現が不要になると話した。

  これを受けて円高が加速している。債券先物は夜間取引で、日経平均先物はシンガポールで売りが膨らんでいる。

為替

  ドル・円相場は日銀会合の結果を受けて円が上昇。

  野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは円の上昇について、「日銀がハト派的ではないことを確認した上で、来週に米大統領選を控えてドルロングのポジションにいったん利益確定売りが出ているのではないか」との見方を示した。

  日銀は展望リポートの消費者物価(生鮮食品を除くコアCPI)の上昇率見通しで、25年度を前回の2.1%から1.9%に下方修正した。同時に今後の政策展開を探る上で注目されたリスクバランスは、前回リポートで指摘した「上振れリスクの方が大きい」との表現を24年度はなくす一方、25年度は維持した。

  SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は展望リポートの内容について、経済・物価が「オントラック」に進んでいるとのメッセージに見えると指摘。「植田総裁が足元の円安を受けて発言のニュアンスを変えてくるのではないかとの警戒感が円の買い戻しにつながった」との見方を示した。

  総裁会見中には一時1ドル=152円06銭まで円が上昇した。

株式

  日銀会合を受けて株価は一時下げ幅を拡大した。TOPIX33業種では午後に自動車を含む輸送用機器指数の下げが加速した。円高を受けてトヨタ自動車やホンダが安く、日野自動車は一時7.5%超安と連日で大幅安になった。

   日立製作所は今期(25年3月期)調整後営業利益予想を8750億円に引き上げたが、市場予想は下回り、一時10%超下落した。TOPIXを構成する2128銘柄のうち1550銘柄が上昇し、505銘柄が下落。

日立株が3カ月ぶり下落率、今期営業益計画引き上げも市場予想下回る

  大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは、利上げは緩やかなペースとの方針は変わっていないことを踏まえると、株式市場は「現段階でこれ以上動けないと感じる」と話した。

債券

  債券は上昇。日銀会合で予想通りに現状維持が決まり買い安心感が広がった。

  東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは、日銀会合結果は新しい情報はなかったとしながらも、一部市場参加者が警戒して先物を売り持ち高にしていたものを買い戻す動きが出ているようだと語った。先物高につられて長期金利も低下したと言う。

  三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、日銀決定は予想通りで展望リポートの数字もほぼ変わらずだとし、日銀が言ってきたオントラックであることが再確認されたと指摘。展望リポートの経済見通しで「おおむね上下にバランスしている」とし景気過熱に対する警戒を弱めたが、利上げが難しくなることを示すものではないとしている。

ここから誰かが、又はある組織が意図的に経済を破壊しにいきます。

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