イスラエル、数日中のイランからの直接攻撃を警戒－関係者
by Bloomberg
イスラエルは、イランから直接もしくはイランの代理勢力から13日にも無人機やミサイルで政府目標が攻撃を受ける可能性に備えている。西側の情報分析に詳しい複数の関係者が明らかにした。
こうした攻撃が実際に発生すれば、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争が全面的な地域紛争に発展する恐れがある。
攻撃は早ければ向こう48時間以内に行われることが予想されるという。公に話す権限がないとして関係者は匿名を条件に語った。イラン国内からのイスラエル攻撃が主要なシナリオの一つとして浮上している。
バイデン米大統領は12日、イラン側の攻撃が差し迫っているかどうかの質問に対し、詳細は避けつつも「私の予想では近いうちだ」とし、イランにどのようなメッセージを送ったかについては、「Don’t（行動を起こすな）」だと答えた。
大統領はさらに、「われわれはイスラエルの防衛に専念している。米国はイスラエルを支援して守り、防衛を助ける。イランは成功しないだろう」と語った。
イスラエルが攻撃の可能性に備えているとのニュースを受け、ブレント原油先物相場は一時１バレル＝92ドルを突破した。
この動きはイラン最高幹部の承認はまだ受けていないと関係者は語った。米国は防衛の準備で追加の軍事資産を地域に移動させる一方、紛争拡大を防ぐための外交努力を強めているという。
報復
先週には、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館敷地内の建物が攻撃を受け、イランの軍司令官らが死亡。イランはこの報復でイスラエルを攻撃すると宣言している。最高指導者ハメネイ師は２日、イスラエルは「罰せられるだろう。イスラエルに対し、犯した罪を後悔させる」と述べた。
関係者２人は、イスラエルと米国およびイランの間で激しさを増すレトリックはスタンドプレーに過ぎない可能性もあるが、イスラエルとその同盟国は攻撃が差し迫っていることを前提に準備をしていると説明。外交努力も水面下で活発に行われていると述べた。
ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官（国家安全保障問題担当）やマクガーク中東政策調整官を含む当局者らは、スイスが仲介する外交チャンネルなどを通じてイラン側にメッセージを送ることに取り組んでおり、イスラエル、サウジアラビア、カタールなど各国政府とも協議を進めているという。
この記事の考察
イランが本格的な参戦となるとホルムズ海峡の封鎖となり、原油価格の高騰は免れない。
そして、また世界中にインフレ再燃のリスクが出てくる。
特に日本は原油の大半を中東に依存しているため、原油の輸入が断たれると経済だけではなく、エネルギー問題に発展する。
ただでさえ円安が加速している今、原油価格が100ドル、150ドルとなっていけば日本のインフレ率10％を越えてくる。
ホルムズ海峡
イランがイスラエルと関係あるコンテナ船を拿捕－ホルムズ海峡近く
イランのイスラム革命防衛隊（ＩＲＧＣ）は13日、ペルシャ湾とオマーン湾の間のホルムズ海峡の近くでイスラエルと関係のあるコンテナ船を拿捕（だほ）した。国営イラン通信（ＩＲＮＡ）が報じた。
報道によれば、ＩＲＧＣの特殊部隊はヘリコプター１機でＭＳＣアリエスに乗船し、イランの領海に向かうよう指図した。拿捕の理由は示さなかった。
MSC Aries was sailing towards the Strait of Hormuz as of Friday evening local time
コメント