FRBが重視のPCEコア価格指数、前月比での伸びが1年で最大
1月の米個人消費支出(PCE)統計によると、連邦準備制度理事会(FRB)が基調的なインフレを判断する上で重視するPCEコア価格指数は、前月比での伸びがここ1年近くで最大となった。利下げ開始に対する金融当局者の辛抱強いアプローチが裏付けられた。
インフレ調整後の実質PCEは前月比0.1%減と、5カ月ぶりに減少。ホリデーシーズンの反動が出たもようだ。個人消費を支える実質可処分所得は、ほぼ横ばいだった。
金融当局者らは、インフレが持続的に鈍化しているといえるだけの確信はまだ得ていないと繰り返し発言しており、今回のPCE統計は短期的にそうした認識を補強しそうだ。当局者は利下げ開始は時期尚早だと強調しているほか、政策を判断する上で今後入手するデータを引き続き注視していくと説明している。
コア価格指数は6カ月間の年率ベースで1月に2.5%上昇と、当局のインフレ目標である2%を上回った。その前の2カ月は2%を下回っていた。
金融当局は住宅とエネルギーを除いたサービス業のインフレに特に注目している。同ベースの価格指数は前月比0.6%上昇と、2022年3月以来の大幅な伸び率となった。ポートフォリオ運用のコストが3年ぶりの大きな伸びとなったほか、宿泊費も上昇した。
次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合は3月19、20日に開かれる。よって今回のデータは、同会合前に当局者が入手できる最後のPCE統計となる。パウエルFRB議長をはじめとする金融当局者らは3月会合での利下げを事実上排除しており、市場では6月が利下げ開始時期になるとの見方が強まっている。
なおも堅調な労働市場がこれまでのところ個人消費を支えているが、高い借り入れコストと求人の減少、根強いインフレが消費に重くのしかかりつつある。
1月の実質PCEは、財への支出が1年余りで最大の落ち込みとなったことが響いた。特に自動車の購入は21年半ば以来の大幅な減少だった。
サービス分野の支出は増加が続いた。住宅関連や光熱費が大きく増えたほか、金融サービスと医療も伸びた。一方で娯楽への支出は減少。外食とホテル宿泊への支出はわずかな伸びにとどまった。
ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン、エステル・オウ両氏はリポートで、「多くの一時的要素が影響しているようだ。季節的要因やポートフォリオ運用コストが価格指数に影響したほか、生活費調整(COLA)が所得の伸びを押し上げた。また支出面では天候がマイナスに影響した」と分析した。
賃金・給与は0.4%増。インフレ調整前の所得は1年ぶりの大きな伸びとなった。1月のCOLAを受けて公的年金の支給額が増加したことを反映している。貯蓄率はわずかに上昇した。
この記事の考察
1月の米個人消費支出(PCE)は予想道理の数字となった。このインフレの中でもまだ個人消費は強いという数字だ。
これはFRBにとっては都合が良い。利下げをしないでよいということになる。
CME FEDWATCH TOOLでは3月の利下げが無いとする確立が97.0%。5月の利下げが無いとする確立が76.2%となった。
2024年の当初では3月の利下げ開始予想であった。これで2024年の利下げ開始予想が半年後後半にづれたことになる。
次の経済指標の結果によっては更に後半にづれこむ可能性が出てきた。
私はそれよりも中古住宅販売の落ち込みが気になる、予想+1.5%に対して結果ー4.9%であった。
インフレ、高金利で住宅が買えない状況になっている。
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