マスク氏の反ユダヤ的投稿支持が波紋－「Ｘ」広告停止の動き
by Bloomberg
- ＩＢＭは広告停止、マスク氏に辞任求めるフェイスブック共同創業者
- ディズニーはＸに関係する支出を一時停止－アップルも広告休止
ソーシャルメディア「Ｘ（旧ツイッター）」上の反ユダヤ主義的な投稿に会長のイーロン・マスク氏が支持を示したことが大きな波紋を広げている。
ホワイトハウスが強く非難したほか、マスク氏の電気自動車（ＥＶ）メーカー、テスラの投資家からも怒りを買い、Ｘの大手広告主は親ナチス的な投稿を理由に広告を引き揚げると発表した。
ユダヤ系の人々が白人に対して憎悪を抱いているとする反ユダヤ主義的な投稿に対して、マスク氏は「あなたは実際の真実を語っている」と返信した。
マスク氏のこの返信を巡りホワイトハウスは、ユダヤ系コミュニティーを危険にさらす「容認できない」行為だと言明。テスラの株主からは、最高経営責任者（ＣＥＯ）であるマスク氏の職務停止を求める声も上がった。
ホワイトハウスのベイツ報道官は、米国人には「同胞である米国人の尊厳を攻撃し、地域社会の安全を損なうような人物に対して反対の声を上げる義務がある」と述べた。マスク氏が経営する企業は、米政府と複数の契約を結んでいる。
メディア・マターズは16日、ＩＢＭやアップル、オラクル、コムキャスト傘下のエクスフィニティなどがＸに掲載した広告が、ナチスを支持する投稿の隣に表示されていることを示す報告書を発表した。
ＩＢＭは事態が解決するまでＸでの広告掲載を停止すると発表。また欧州連合（ＥＵ）の欧州委員会、米独立系映画・テレビ会社ライオンズゲート・エンターテインメントもＸからの広告引き揚げを明らかにした。
アップルの対応
ウォルト・ディズニーはＸに関係する支出を一時停止、パラマウント・グローバルは全広告を止めると発表。ＣＮＢＣはワーナー・ブラザース・ディスカバリーがＸでの広告キャンペーンを停止したと報じた。ＮＢＣユニバーサルのメディア帝国を傘下に置くコムキャストもＸでの広告を一時停止したとパックニュースが伝えた。
Ｘにとって最大級の広告主、アップルはＸでの広告表示を一時停止していると発表。
両社はすでに不安定な関係にあった。マスク氏が昨年ツイッターを買収し、人員削減や方針変更を打ち出した後、アップルはしばらくの間、広告掲載を停止。マスク氏はアプリ手数料の支払いを止めるためアップルの「アップストア」ルールを破るかもしれないとほのめかし、緊張をエスカレートさせた。
ただ、同氏とアップルのティム・クックＣＥＯは2022年終盤、アップル本社で会談し関係を修復した。マスク氏は同年12月、アップルが広告を「全面的に再開」したと明らかにした。
以前はＸを「重要な財産」と呼んでいたクック氏だが、マスク氏の傘下で増えたとされる反ユダヤ主義的な投稿には同意できないとしている。アップルは広告を続けるべきかどうかを「常に」自問しているクック氏は語っていた。
アップルのＸでの広告掲載休止はアクシオスが17日、先に報じていた。
ダメージ
一方、Ｘのリンダ・ヤッカリーノＣＥＯは16日、「Ｘは、反ユダヤ主義および差別と闘う取り組みについて極めて明確にしている」と投稿した。
マスク氏にはコメントを求めたが、これまで返答はない。
メタ・プラットフォームズ（旧フェイスブック）の共同創業者であり、プロジェクト管理ソフトウエア手掛けるアサナの最高経営責任者（ＣＥＯ）、ダスティン・モスコビッツ氏はマスク氏に辞任を求めた。
米ソーシャルインパクトファンド、ニア・インパクト・キャピタルの創業者クリスティン・ハル氏は、今回問題となっている反ユダヤ主義的な投稿をマスク氏が支持したことに「がくぜんとした」と話した。同ファンドは今年の年央時点で、およそ28万2200ドル（約4220万円）のテスラ株を保有していた。
イーロン・マスク氏、反ユダヤ的投稿を支持－「真実を語っている」
純資産約2180億ドルを持つ世界一の富豪で、テスラのＣＥＯであるマスク氏は反ユダヤ主義が高まる状況の中、ユダヤ人を攻撃するコンテンツやヘイトスピーチを促進しているとして繰り返し批判されてきた。
ハル氏は16日、電子メールで「ＣＥＯによる奇矯かつ人種差別的で反ユダヤ的な発言はテスラのブランドと収益に直接大きな影響を与える」と指摘、「この言動にはブランドに長期的なダメージを与えるほどの力がある」と続けた。
欧州委員会は「虚偽の情報とヘイトスピーチが憂慮すべきペースで増加している」として、Ｘでの広告掲載を停止するようスタッフに勧告したと、17日に声明で発表。声明では、マスク氏の投稿に関しては直接言及していない。欧州委の動きについては、ポリティコが先に報じていた。
コムキャストの広報担当は、状況を調査中だと説明。アップルとオラクルからはコメントを得られていない。ＩＢＭの決定については、英紙フィナンシャル・タイムズ（ＦＴ）が先に報じていた。
この記事の考察
本音とたてまえは言葉にしてはいけない。
我々、黄色にとってはどうでもいい。
白から見れば黄色、黒、ユダヤ、他全部人間だとは思っていない。過去の歴史が物語っている。
今まで白以外は排除してきたくせにチョット本音が出たくらいでこのたたきようである。
叩いている人達も本当の所では同じようなもんである。
勝った方が正義の世の中。
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