2024 1月22日 経済NEWS

投資

中国資産への悲観的見方、株式以外にも拡大-他の新興国に見劣り

by Bloomberg

中国の資産に対する懐疑的な見方が株式以外にも広がっている。今年は米金融当局のハト派転換が新興国市場の追い風になると見込まれているにもかかわらず、投資家は中国人民元と国債がアンダーパフォームすると予想している。

  中国経済が依然停滞していることが最新の指標で確認されたため、同国に対する弱気なセンチメントが強まっている。こうした悲観的な見方が中国人民銀行(中央銀行)の利下げに弾みをつける一方で、金利が数年ぶりの高水準にある他の主要国と比べると、中国の利下げ余地は小さいと投資家は指摘する。

  みずほ証券のアジア為替担当チーフストラテジスト、張建泰氏は「今年の中国の成長を巡る弱気な見通しを踏まえると、人民元は引き続き短期的に圧迫されると予想している」とし、「人民銀は緩和バイアスを維持する方針のため、債券は引き続き下支えされる見通しだ。しかし、元安圧力の再燃や、中国の銀行の低い純金利マージン(NIM、利ざや)によって、利下げ余地は限られるだろう」と指摘した。

中国が敬遠される一方で、トレーダーは他の新興国市場に対してよりポジティブになる多くの理由があるとみている。より利回りが高い市場は、予想される米利下げから恩恵を得られる余地が一段と大きくなることが見込まれる。また、韓国とインドが世界の主要債券指数に組み入れられる可能性があることは、両国の資産のさらなる押し上げ材料になるだろう。

  新年に入ってからの中国資産売りは主に株式に集中しているが、海外勢の資金流出が続けば、人民元に対する下落圧力が強まるだろう。オフショア人民元は年初来で1%余り下落。2023年には3%近く下げていた。

  エコノミストの予想によれば、人民元は今年、下げ幅を若干縮小するものの、再び他のアジア通貨のパフォーマンスを下回ると見込まれている。

利回りの点で魅力劣る

  一方、中国の国債は今年これまで好調に推移。投資家の間で人民銀の緩和策への期待が高まる中、利回りが低下している。しかし、市場ではより利回りが高い国を探す傾向が強まっている。これらの国は金融緩和へのシフトが始まれば、恩恵を受ける可能性がある。

  中国の10年債利回りは現在2.5%程度。インドは7%強、メキシコは約9%、ブラジルは約10%だ。

アバディーンのアジア債券担当投資ディレクター、エドモンド・ゴー氏は「われわれは現時点で中国債をアンダーウエートとしている。インドやインドネシアなどの市場の方がより利回りが高いというのが純粋な理由だ。一方、米国債は現在の水準からさらに上昇余地があるとの見方から、韓国債のような米国債のプロキシ(代用)債券は魅力的だ」と指摘した。

この記事の考察

中国経済はもうダメだろう。不動産バブル崩壊が金融崩壊に繋がっていくのはもう見えている。

これまでひた隠しにしてきたが市場からは既に見透かされた状態だ。

中国、2024年の大型景気刺激策を否定-景気下振れを懸念する声も

中国の李強首相は、過去数十年で最悪のデフレが続く中、成長を回復させるために大規模な景気刺激策を用いるつもりはないと、これまでで最も明確なシグナルを発した。

李首相は16日に世界経済フォーラム(WEF)年次総会に登壇し、昨年は「大規模な景気刺激策」を打ち出すことなく、5%前後の成長目標を達成することができたと自賛。17日のデータは成長率目標の達成を示したが、同時に中国がアジア金融危機以降で最長のデフレ期に陥ったことを示した。住宅価格は先月、2015年以来の大幅下落となり、不動産危機の規模を浮き彫りにした。

中国株売り広がる、あきらめムードも-利下げ見送りに指標期待外れで

中国株が17日の取引で大きく売られた。経済指標に対する失望が広がり、弱気な見方が市場で強まった。

  香港上場の中国企業株で構成するハンセン中国企業株(H株)指数は3.9%安で取引を終了。2022年10月以来の下落率となった。本土株のCSI300指数は2.2%安。外国人投資家の本土株売り越しがここ1年余りで最大の130億元(約2670億円)に膨らんだ。

中国脱出する富裕層やミドルクラス-移民で世界の風景一変、緊張も

中国経済の低迷と共産党の習近平総書記(国家主席)が進める強権的な統治への幻滅が動機となり、2019年以降、110万人余りが中国を離れた。

  チャイナマネーの伝統的な流出先ではないコミュニティーでは、中国からの移民流入が大きな変化をもたらしている。バンコクの繁華街では地元の商人が押し出され、ベトナムの農村が工業地帯に変わり、日本では沖縄の一部地域で住宅価格が上がっている。

この記事の考察

もはや中国人が中国から脱出している。富裕層だけでなくミドルクラスでもこの傾向がある。

これは日経平均に顕著に現れている。1月22日の日経平均は36,300円に達した。

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