記録的な弱気相場でリターン200%-債券「恐怖指数」考案者のETF
by Bloomberg
- 400億円規模のPFIXが競合を圧倒、昨年初から3倍に成長
- バスマン氏のETF、ボラティリティー伴う利回り上昇時に利益
米債券市場が記録的な損失に見舞われる状況で、好成績を出している債券ファンドは数少ない。そうした中、シンプリファイ・アセット・マネジメントのマネジングパートナー、ハーレー・バスマン氏が立ち上げた小型上場投資信託(ETF)は昨年の初めから3倍の成長を遂げている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、時価総額およそ2億7000万ドル(約400億円)の「シンプリファイ・インタレスト・レート・ヘッジETF(PFIX)」は過去1年間の上昇率が39%と、米国内のどの債券ETFやミューチュアルファンドよりも高い伸びとなっている。米金融当局が利上げを開始する以前の2021年末以降では、リターンが約200%に達した。
米金融当局の積極的な利上げと米国債の発行拡大の組み合わせを背景とした過酷な債券弱気相場の中で、PFIXは数少ない勝ち組の一つとして際立っている。ブルームバーグ米総合債券指数は年初から足下まで3%程度下落しており、昨年は年間下げ率が13%と過去最悪を記録。今年もマイナスで締めくくった場合、初の3年連続安を記録することになる。
1年5月に立ち上げられたPFIXは、20年物の金利スワップを原資産とするいわゆるペイヤースワップション(固定金利払い・変動金利受けのスワップ取引を行う権利)を組んでいる。これは、米30年債のプットオプションの買いに相当し、ボラティリティーを伴って利回りが上昇する際に利益が生じる。
実際、20年末時点で1.6%付近にあった米30年債利回りは今月、07年以来となる5%台に乗せた。バスマン氏が考案した債券版の「恐怖指数」とされるMOVE指数は、同期間に約3倍の135まで上昇している。
バスマン氏がPFIXの構想を思いついたのは、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)を退職した数年後の20年後半だったという。当時は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応で、米金融当局がゼロ金利政策および大規模な米国債購入を実施しており、利回りとボラティリティーが過去最低付近まで落ち込んでいた。
そうした状況が「永遠に続かないことはわかっていた。その判断に至るのは難しいことではなかった」と当時を振り返るバスマン氏は、PFIXをこれ以上ない最高のタイミングで立ち上げることができたと語った。
この記事の考察
こうゆうETFもあるのは知らなかったです。シンプリファイ・アセット・マネジメントのマネジングパートナー、ハーレー・バスマン氏は先見の明がある人のようです。
PFIXはSBI証券では買えません。
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