6 JAN.2024 経済 NEWS
アメリカの国債利回りが上昇しています。
=価格は下落しています。
豆知識
社債や国債などの債権は債権市場で取引され価格は日々変動します。上場株式と同じです。
発行された時の利率は決まっています。しかし、価格が変動します。つまり、金利が変動します。これを利回りといいます。
通常であれば政策金利は発行期間が短いものに影響を及します。2年もの、5年もの、10年もの、と長期になるにつれて影響は薄くなります。
長期になるほど償還リスクが高まる為に利回りが高くなるのが普通です。
債券の利回り(金利)と償還期間との相関性を示したグラフで、横軸に償還までの期間、縦軸に利回りを用いた曲線グラフのことをYield Curveイールドカーブといいます。
右上がり(償還までの期間が長いほど利回りが高い)のときを順イールド、右下がり(償還までの期間が短いほど利回りが高い)のときを逆イールドといいいます。
金融緩和時、平常時には順イールドを形成し、金融引き締め時には逆イールドを形成することが多く、イールドカーブの形状変化として、傾きが大きくなることをスティープ化、逆に傾きが小さくなることをフラット化といいます。
2025年1月6日のイールドカーブは↓下の画面です。
現在は3ヶ月もの、2年ものの利回りより10年ものの利回りのほうが低い順イールドとなっています。(黒の線)
1年前は逆イールドでした。(青の線)
これは現在、金融緩和の局面であることを表しています。
上は現在の米国債利回りです。10,30年債利回りはFFレートよりも高くなってきています。
上は2024年1月26日のデータです。
FFレートが5.50%なのに10年債利回りは4.095%でした。
10年債利回りを比べると現在の利回りの方が高いです。=現在の価格の方が低いです。
3ヶ月債利回りを比べると現在の利回りの方が低いです。=現在の価格の方が高いです。
これはFFレートが短期の金利に影響を及ぼしていることを表しています。
Bloombergでは以下のようなニュースが出ています。
米国債トレーダーは期待弱めて新年入り、トランプ氏の影に戦々恐々
底堅い米国経済とトランプ次期米大統領の減税・関税政策により米国債相場が引き続き下押し圧力を受ける可能性があることから、債券トレーダーらは期待を弱めて新年を迎えた。
力強い経済データの発表やトランプ氏率いる共和党の選挙圧勝、連邦準備制度理事会(FRB)高官の慎重な発言を受け、既に投資家はFRBへの期待を再調整しており、債券相場の下落に拍車をかけている。
こうしたリセットは長期債に最も大きな影響を与えており、米10年債利回りは4.6%近くに達した。昨年9月に米連邦公開市場委員会(FOMC)が金融緩和を開始した時点からほぼ1ポイント上昇した。一方、2年債への影響はより限定的で、米政策金利に連動し長期的な見通しの変化から影響を受けにくい証券に投資家がシフトしていることをうかがわせる。
JPモルガン・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、プリヤ・ミスラ氏は「インフレ(関税、財政刺激策、移民)への懸念は強く、成長(財政刺激策、規制緩和)への楽観的な見方もある。これらがここ数カ月の金利の動きを説明している」と分析した。
債券市場の暗い見通しは、FOMCが政策金利を20年余りで最高の水準から引き下げ始めれば堅調な1年になるとの期待が多かった2024年初めから見方が変化したことを浮き彫りにする。
そうした期待は時期尚早であったことが判明し、経済が順調に推移する中、投資家は今、債券相場の上昇に賭けることには後ろ向きだ。また、トランプ次期大統領の減税と関税計画が財政刺激策や輸入価格上昇を通じインフレ圧力を高める恐れがあり、財政赤字の増加は米国債供給を増やす可能性もある。
先物トレーダーらは現在、FOMCが政策を6月まで据え置く可能性があると予想しており、政策金利を25年全体でさらに0.5ポイント引き下げる可能性が高いと見ている。
米国債市場はカーター元大統領の死去を悼んで9日に休場となるため、通常よりも1日早い6日から国債入札が予定されており、10年債と30年債などへの需要が試される。
10日には昨年12月の米雇用統計が発表される。ブルームバーグのエコノミスト調査では、12月の非農業部門雇用者数は前月比16万人増と見込まれており、前月の22万7000人増からやや減速する見通し。雇用の伸び鈍化が予想より急激である場合には、利回りのこれまでの上昇からみて債券価格が若干持ち直す可能性があるとJPモルガンのミスラ氏は予想。「弱い数字が出れば、3月のFOMC会合での利下げが再び議論されるだろう」と述べた。
ここから誰かが、又はある組織が意図的に経済を破壊しにいきます。
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