パウエルFRB議長、確信は「まだ」-2%への持続的インフレ率低下
by Bloomberg
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、インフレは鈍化しているとの認識を示しつつ、金融当局の目標である2%に向けて持続的に減速しているとの確信はまだ抱いていないと述べた。
議長は10日、下院金融委員会の公聴会で、インフレが後退しているという「確信はある程度ある」とした上で、「問題は、2%に向けて持続的に低下していると十分に確信しているかということだ。私にはまだそう言う用意はない」と語った。
パウエル氏は、最近の物価指標が「緩慢な進展継続」を示しており、「さらなる良好なデータ」が見られれば、インフレ率が当局の2%目標に向けて低下しているという確信が強まると発言。前日の上院銀行委員会の公聴会での証言内容を繰り返した。
議長は利下げのタイミングについて強いシグナルを発することは避けているものの、当局の行動開始が早過ぎても遅過ぎても、リスクを抱えることになると強調している。
そうしたリスクは以前よりバランスが取れていると、パウエル議長は指摘。金融当局はインフレを鈍化させることになおコミットしていると同時に、失業に懸念を抱いてもいるという。
パウエル氏は「インフレに関する仕事は終わっていない。やるべきことはまだある」と言明。その上で、政策当局者らは「労働市場の相当な軟化」にも極めて注目していると付け加えた。
パウエル議長の議会証言は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が7月30-31日の会合で利下げに動く可能性が低いことを示唆する。
バランスシート
パウエル議長はまた、FRBにはバランスシート縮小に関してやるべき仕事が残っているとの認識を示した。
パウエル氏は下院金融委員会の公聴会で「われわれはかなりの前進を遂げた。道のりはまだ長いと考えている」と述べた。
FRBはこれまでに保有資産を約1兆7000億ドル(約270兆円)減らしてきた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中に市場安定と景気支援を目的に米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を購入し、保有資産は大規模に膨らんだが、その放出は続いており、バランスシートはさらに著しく縮小すると当局者は想定している。
米金融当局は6月、国債のランオフ(償還に伴う保有証券減少)ペースを減速させた。パウエル氏はこれについて、債券保有残高が低くなり過ぎないように取り組む上で一段と慎重な行動が可能になるとの見方を示した。準備預金の不足が短期借り入れコストの急上昇を招いた2019年の事態再来は避けたいと、当局者らは考えている。
「ペースを少しゆっくりにした方が、実際にはもっと先に進めるかもしれない」とパウエル氏は話した。
この記事の考察
11日の議会証言でFRBのパウエル議長はインフレの退治はまだ終わっていない、と述べた。
Powell Not Prepared Yet to Say He’s Confident About Inflation
これは非常に重要な発言である。7月のFOMCでの利下げは絶対にない。を示唆した。
市場の注目は9月のFOMCで利下げがあるかに移っている。
CMEのFedWatchツールでは9/18でFOMCが利下げを行うという予想が96.3%にまでなってきた。
米国債利回り2年は4.458%まで低下した。 10年債利回りも4.187%まで低下した。
逆イールドも少しずつ0に近づいている。今回の逆イールドは期間が長い。
2022年、7月から始まっている。
↑は1980年からの10年債利回り-2年債利回りである。
グレーの領域はリセッションを表している。
ここまで逆イールドの期間が長いのは1980年代、以来である。
これをパウエルは恐れている。
インフレ退治は簡単ではない。
株価は上がり続けており、アメリカの経済は好調である。そもそも、利上げを行ったのは経済を冷やすためである。
なのに、この状態で利下げを行えば、再びインフレが襲ってくる。という論理である。
本音は違う。
アメリカドルを世界の基軸通貨として保っていたい。
その為にはアメリカ国債の金利は高いほうが良い。
全ては金利が世界の経済に影響を及ぼす。
全ては誰かの利益のために
NEW GREAT RESET
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