2024 3月222日 経済 NEWS

投資

【米国市況】株4営業日続伸、リスクオン鮮明に-ドル一時151円75銭

by Bloomberg

21日の米株式相場は4営業日続伸。米金融当局が経済のソフトランディング(軟着陸)に成功し、企業業績の見通しが強まるとの観測が背景にある。S&P500種株価指数は今年に入って20回目の最高値更新。

この日はアップルアルファベットの大型ハイテク2銘柄が下げたが、相場の勢いは衰えなかった。

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  住宅、製造業、労働市場に関する最新のデータは、インフレ率を目標の2%に戻そうとする米金融当局にとっては脅威となるような内容だったが、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で年内利下げの方向性があらためて確認されたこともあり、株式市場では景気への楽観の方が勝った。

  HSBCのマックス・ケトナー氏は、リスク資産が好調を維持しているのは驚きではないと指摘。「2022年と23年の利上げサイクルは、米国経済全体にマイナスの影響を与えることはほとんどなかった」と語った。

ソシエテ・ジェネラルのストラテジストは、企業業績の見通し改善と人工知能(AI)を巡る熱狂が背景に、米国株の上昇は止まらないとみている。マニッシュ・カブラ氏率いるチームは、S&P500種の年末目標を従来の4750から5500に上方修正。ブルームバーグが追跡するストラテジスト予想の中で最も高く、現行水準から5%余りの上昇を示唆する。

  「米国の例外主義は強まるばかりだ」とカブラ氏はリポートで指摘。「利益の伸びが継続し、S&P500種が最高値を更新する中、市場では楽観論が広がっているが、当社ではこれを行き過ぎではなく理にかなっているとみている」と記した。

今年の米株高に乗った投資家は、ここまで相場をけん引してきたハイテク大手7社「マグニフィセント・セブン」以外にも物色の矛先を広げている。

  パイパー・サンドラーのマイケル・カントロウィッツ氏によると、トレーダーはAI関連だけでなく、高い収益性と力強いファンダメンタルズを持つ企業に幅広く買いを入れている。「相場を勢いづかせている要因の一部はAIだが、残りは古き良きクオリティー株だ」と同氏は述べた。

  ミラー・タバクのマット・メイリー氏は、最高値更新が続く米株で「短期的な反落はいつでも起こり得ると考えている」とした上で、「しかしそれが急激なものでなければ、本格的な調整局面となる確率は下がるだろう」と語った。

国債

  米国債相場はまちまち。2年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。一方で10年債利回りはほぼ横ばいで推移した。

外為

  外国為替市場ではドルが反発。この日発表の米経済指標では、製造業活動の加速や労働市場の底堅さが示された。  

  主要10通貨ではスイスフランの下げがきつい。スイス国立銀行(中央銀行)が政策金利を0.25ポイント引き下げたことに反応し、対ユーロでは昨年7月以来の安値を付けた。

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 円相場は一時1ドル=151円75銭に下落。政府・日銀が円買い介入を実施した2022年10月の水準に迫りつつあり、市場では警戒感が強まっている。 鈴木俊一財務相は円安が進んでいることに関して、「為替相場は安定推移が望ましい」とした上で、「高い緊張感を持って注視したい」と語った。

 バンク・オブ・アメリカ(BofA)のG10為替戦略責任者、アタナシオス・バンバキディス氏は、最近の米株と日本株の相対的なアウトパフォーマンスを踏まえると、世界的な株価調整が起きた際に最も売られやすい通貨がドルと円だと指摘。

  同氏は21日のリポートで、円やドル、ノルウェー・クローネ、スウェーデン・クローナは主要10通貨のうち株式相場の調整に対して最も脆弱(ぜいじゃく)だと指摘。「これら4通貨の株式相場は名目国内総生産(GDP)で正当化される以上の好パフォーマンスとなっており、経済成長が期待外れになった場合にそれが露呈する可能性がある」と記した。

原油

ニューヨーク原油相場は続落。FOMCが前日の会合で年内利下げ見通しを維持したものの、ドル高が楽観を抑制した。

  予想外のスイス中銀利下げにドルが上昇し、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物を圧迫した。ドル建てで取引される商品は、ドル高を嫌気することが多い。FOMCは年内3回の利下げ見通しを維持し、金融市場全般ではハト派的と受け止められた。

  テクニカル分析でここ最近の上昇局面が行き過ぎている可能性が示され、前日には約1カ月ぶりの大幅安となっていた。

原油相場は年初から2桁台のペースで上昇し、数週間前に狭い取引レンジを抜け出た。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」の減産延長が背景にある。ウクライナの無人機によるロシア製油所攻撃といった地政学的緊張のほか、紅海の船舶攻撃による運輸コスト上昇も、原油価格を支えてきた。ただOPEC非加盟国による大幅増産が価格の伸びを限定している。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日比61セント(0.8%)安い1バレル=81.07ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は17セント下げて85.78ドル。

  ニューヨーク金スポット価格は反落。FOMCが年内に利下げに踏み切るとの観測が強まり、初の1オンス=2200ドル台に乗せた後、ニューヨーク時間午前には下げに転じた。

  金スポット価格は朝方に1.6%上昇し、2220.89ドルを付けた。米金融緩和の見通しが新規の買いを呼び込み、金は2月中旬から約10%上昇していた。

  急激な金上昇ペースは市場の一部で警戒されたものの、20日のFOMC声明や予測はそうした強気な見方を後押しする内容と受け止められた。

ペッパーストーン・グループの調査責任者クリス・ウェストン氏は前日のFOMC会合を「金のトレーダーに市場に戻ってもよいと告げる青信号」と表現。金融政策当局者らは「われわれが目にしたインフレを容認し、労働市場の強さが障害にはならないとの見方を容認する姿勢だ」と解説した。

ここ5週間の相場上昇は、地政学的リスク上昇や中国をはじめとする中銀の金購入といった新しくない要素にも支えられてきた。資産価格が急落し株式相場が低迷する中国では、資産価値を保持するために金のコインや宝飾品などを買い求める消費者が増えている。

  金相場は数カ月前から2000ドル付近で推移している。この水準を初めて突破したのは、新型コロナウイルスがパンデミック(世界的大流行)となった2020年だった。実質金利が極端に高いにもかかわらず、金相場が高水準を維持しているのは特異な現象だ。高金利は通常、利息を生まない金投資にはマイナスに働く。

  マッコーリー・グループの金属戦略責任者マーカス・ガーベイ氏は2300ドルが「妥当なテクニカル上の節目」になっていると指摘。「FOMCが最近のインフレ率上振れを理由に前日の会合でタカ派に傾斜しなかったことは、金が今後短期的にオーバーシュートするシナリオを意味するのだと思う」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、世界最大の金現物上場投資信託(ETF)、SPDRゴールド・シェアーズの金保有額は20日までに4日連続で増加。このパターンが続けば、金価格は過去最高値を更新する可能性がある。

  金ETFの投資家持ち高は概して、金価格の変動と連動する。新型コロナウイルスのパンデミック当時、ETFが主要な材料となって金は最高値を更新した。しかしそれ以降は金価格とETFなどとの相関性が薄れている。

  ニューヨーク時間午後2時17分現在、金スポット価格は前日比4.76ドル(0.2%)下げて1オンス=2181.63ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は24.10ドル(1.1%)高い2206.50ドルで終了した。

この記事の考察

アメリカの株は過熱感を増してきた。

↑上はSP500,NASDAQ100の週足チャートです。
これを見ると2015円から2020年までの上昇スピ-ド。
コロナショック後の2020年から2022年までの上昇スピード。
そして、今回、2023年後半から現在までの上昇スピード。

この3つを比べると今回の坂、上昇スピードが明らかに急坂であることが分かる。

上昇の坂が急坂であればこれが崩壊した時の下り坂はもっと急坂になるだろう。

そして、原油価格が上昇している。アメリカの経済がなお好調であり、在庫が減ってきており先物の価格が上昇している。

そして、金GOLDの価格も上昇している。これも史上最高値を維持している。

これは中国が買い占めていることが関係している。普通は株式に資金が流入する場合金の価格は下がる兆候にある。が、今回は違う。

中国の一人の考えがある。台湾侵攻である。

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