日本株好調で膨らむ日銀のETF保有総額、年間の税収に匹敵する規模
by Bloomberg
日本株がバブル期後の最高値を更新する中、日本銀行が保有する上場投資信託(ETF)は時価で約70兆円と、日本の年間の税収に匹敵する規模に膨らんでいるもようだ。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストの試算によると、日経平均株価が34年ぶりの高値を付けた15日の取引終了時点で、日銀が保有するETFの簿価37.2兆円に対し、含み益は約32兆円に達した。
日本株の最大保有者である日銀は、少なくとも時価評価上はマーケット最大の勝者だ。日経平均株価が今年さらに上昇すると予想するアナリストもおり、今後も増加し続ける可能性がある。日本の年間税収に匹敵する資産価値は、大規模金融緩和策からの出口を熟慮する植田和男総裁にとって課題の一つとなる。
井出氏は「あまりにも規模が大き過ぎて市場で売るにも売れないし、日銀のみで決めることはできない」と指摘。「これは国民に還元されるべきものだ。どうするかの決定には官邸、財務省、金融庁など他の多くの省庁の参加が必要になるだろう」と語った。
日銀のETF買い入れは、異例の非伝統的政策から離れる姿勢を示唆するかのように、昨年は3回にとどまり、今年はまだ行われていない。
大半のエコノミストが4月までにマイナス金利の解除を予想する中、日銀の内田真一副総裁は先週、ETFの買い入れについて、「2%目標の持続的・安定的な実現が見通せるようになり、大規模緩和を修正する時には「やめるのが自然」と語った。
日銀は2010年、金融市場のリスクプレミアム低下を目的に白川方明総裁(当時)の下でETFの購入を開始。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で市場が混乱した際は積極的に買い入れを実施した。
井出氏は、日銀が保有するETFの3分の1は日経平均株価、残りはTOPIXに連動していると推定している。
日銀は現在、年間約12兆円に相当する残高増加ペースを上限に、必要に応じてETFを購入する方針を示している。植田総裁は今月、買い入れの継続が適当かどうかを検討した後、保有ETFの処分については「もう少し先で考えるという時間的余裕がある」と語った。
井出氏は、日銀保有のETFについて、「総裁は会見で『買っちゃったもの』と発言した。そういった言い方からすると、日銀はこんなに大量に購入したことを後悔している面もあると感じる」と指摘。その上で、「後始末はしっかりとしなければならない」と述べた。
この記事の考察
一般庶民が物価高で苦しむ中、日銀や上流階級の人々はもっと資産が増えている。
せめて今回の地震で被災した人々に日銀保有のETFの含み益だけでも配ったらどうなのか。
これは税収からの配分ではなくてバブルで増えた分である。
そうすれば国民は少しでも政府を信用するであろう。
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