「実質実効為替レート」が1970年以来、53年ぶりの低水準
円の総合的な実力を示す「実質実効為替レート」が1970年以来、53年ぶりの低水準となった。円が1ドル=360円の固定相場制だった時代と同水準で、日本の対外的な購買力の低下が鮮明になっている。
歴史的な円安の要因
1.日本の企業が海外への直接投資
$円の為替レートが100円だった頃から大企業が海外で工場を作って現地生産、現地販売が増えた。つまり、日本の企業が円を買わなくなったことが一つの要因である。
2022,2023年に円安が加速して$円が150円までになった。
また、ここ10年、アメリカや欧州などでの自国の保護主義が強くなってきた。
日本の企業が日本で新規の工場を作って海外に輸出することがむつかしくなってきた。
2.エネルギー価格の上昇
原油価格、天然ガス、鉄鉱石などエネルギー価格の上昇により、より多くの円を売るしかなかった。
日本は地下資源のない国である。現在の生活を維持するだけでも莫大な量の原油を買わなければならない。価格も上がり、円安も進み原油の調達コストは2倍以上になっている。
これは食料品の価格にも反映されている。日本の食料自給率は40%を切っている。これも生活必需品である。
3.日本人の生活の変化
スマートフォン、PCの登場により普通の生活に変化が出てきた。特にサービスの部分である。
アップル、グーグル(YOU TUBE)、アマゾン、ネットフリックスなどアメリカの企業に人々は毎月沢山のお金を払っている。
これらのサービスを使うということは円を売っているのである。
4.政策金利の差
これは日々の経済ニュースで取り上げられている。現在、日米の政策金利の差は5%ある。
5.地政学リスク
これまでは有事の円買いであったがここ数年は有事のドル買いとなっている。
↑上の表は日本円を基準とした対円騰落率である。これを見ると円はトルコリラ以外で全ての通貨に対して安くなっている。
もう、先進国ではない。
ちなみにG7のGは?
「G」はグループです。
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国際決済銀行(BIS)が発表した8月の円の実質実効為替レートは73.19(2020年=100)で、さかのぼれる1970年以来の最低の水準となった。同レートはドルやユーロなどさまざまな外国通貨と比べた円の実力を示し、内外の物価格差を考慮した対外的な購買力を表す。名目為替レートを貿易額に応じてウエート付けし、物価変動分を除いて算出する。
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