紅海の商船攻撃、世界経済の新たなリスクに-価格上昇と輸送遅延で
by Bloomberg
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘に絡んだ紅海での商船攻撃は、輸送の遅延と財の価格上昇につながり、経済に新たなインフレリスクをもたらす恐れがある。
親イラン武装組織フーシ派が紅海を航行する商船を攻撃しており、運送各社は貨物輸送を迂回(うかい)させている。貨物船はスエズ運河を通るルートではなく、アフリカを回航する長距離海路の選択を余儀なくされる。
ジェラード・ディピッポ氏らブルームバーグ・エコノミクス(BE)のアナリストは、このルート変更は輸送コストの上昇と輸送期間の長期化を意味するとリポートで指摘した。紅海は最重要航路の一つであり、世界の海上貿易の約14%を担っている。
物流情報会社プロジェクト44によると、スエズ運河を通過するコンテナの20%以上がアジアから欧州および地中海沿岸諸国への貨物輸送だ。アフリカ迂回ルートでは欧州到着までに要する日数は最低でも7-10日増えると予測されている。
フーシ派攻撃で紅海ルート機能まひの恐れ-コスト増で経済に打撃も
イエメン沖での親イラン武装組織フーシ派による船舶への攻撃活発化を受け、紅海の海上輸送ルートが機能停止に陥りつつある。各社は石油タンカーの運航を取りやめたり、コンテナ船のルートをアフリカ南端の喜望峰経由に変更したりしており、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘に関連する暴力の激化が世界経済への脅威となっている。
欧州の石油・ガス大手である英BPとノルウェーのエクイノールは18日、タンカーのイエメン沖の航行を回避すると表明した。イエメン沖は欧州とアジアを結ぶスエズ運河を利用する船舶にとって避けては通れない経由地。既に海運大手が先週、紅海の通航を見合わせると発表していた。
欧州の天然ガス価格はこの日、一時13%上昇し、北海ブレント先物も3.9%上げた。
この記事の考察
新たなリスクがまた出できた。海運大手のマースクをはじめ紅海を通行できなくなった。これが2~3ヶ月続くことになれば、またインフレ懸念が出てくる。
実際、日本の商戦株も18日から急騰しています。
海運大手が紅海通航を見合わせ、フーシ派の攻撃活発化で-物流に影響
イエメン沖で親イラン武装組織フーシ派が船舶への攻撃を活発化させており、紅海を経由した物流への影響が懸念されている。マースクなど一部の海運大手は乗員の安全を考慮して紅海の通航を見合わせるなどの対応を取っている。
マースクは発表文で「昨日のマースク・ジブラルタル号が巻き込まれたニアミス事故、きょうのコンテナ船に対する別の襲撃を受け、バブ・エル・マンデブ海峡を通過する予定のマースクの全船舶に対し、追って通知があるまで航行を見合わせるよう指示した」と説明した。
こうした状況を受け、海上交通の要衝である紅海の安全保障を改善するよう米国などへの圧力が強まりそうだ。
マースクの株価も16日から急騰しています。
これでまたサプライチェーンの混乱は余儀なくされた。
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