【米国市況】株小幅高、「劇的な」勢い失速ードル・円は10月安値に迫る
by Bloomberg
- 10年債利回りほぼ変わらず、ドル指数は年初来の上昇を消す
- 原油は急反発、産油国の行動を警戒-金は小幅安
17日の米国株式相場は小幅高。米連邦公開市場委員会(FOMC)はリセッション(景気後退)を回避しようと利上げサイクルを終了するとの観測に支えられ、株式市場は11月に入ってから2兆7000億ドル(約404兆円)規模の上昇相場となっていた。
S&P500種株価指数は節目の4500を上回って推移し、週間ベースで3週続伸し、7月以来の長期連続高。この日は株式と指数のデリバティブが最終取引を迎えるため、値動きが増幅される可能性があった。半導体製造装置メーカー最大手、アプライド・マテリアルズ株が下落。対中輸出規制に違反した疑いで米国の刑事捜査に直面していると報道された。米住宅着工件数は市場予想を上回り、住宅建設株の買いを誘った。
株式相場はこれまでの力強い上昇で、数週間のうちに売られ過ぎから買われ過ぎへと転換。上昇一服を迎えるとの観測が出ている。
BofAのマイケル・ハートネット氏は「劇的なリスクラリー」が起こったと指摘。テクニカルおよびマクロ経済的な逆風が強まっているため、投資家は上昇した資産から撤退すべきだと論じた。
連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言も引き続きトレーダーの目を引いた。バーFRB副議長(銀行監督担当)はインフレ鈍化が継続しているとして、利上げサイクルは終わりか、それに近い可能性が高いとの考えを改めて示した。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、インフレ率が2%の目標に向けた軌道にあるか自分を含め米金融当局者は確信を持てていないと述べた。
CIBCプライベート・ウェルスUSのデービッド・ドナベディアン最高投資責任者(CIO)は「FOMCが金利を引き上げる可能性は低いが、利下げ期待は気が早過ぎる。インフレが低下を続けたとしても、現在の金融政策は何カ月も続く可能性が高い」と述べた。「2024年のいつかの時点で、FOMCは金利を引き下げ始めるだろうが、今は待つしかない」と続けた。
決算発表シーズンが終わりに近づき、S&P500種の企業利益リセッションも終了。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめたデータによると、S&P500種採用銘柄の90%超が決算発表を済ませた時点で、第3四半期は前年同期比4%の増益。3四半期続いた減益から反転したとみられる。
企業ニュースでは、対話型人工知能(AI)「ChatGPT(チャットGPT)」の開発元であるオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が退社する。ミラ・ムラティ最高技術責任者(CTO)が暫定CEOに就任する。アマゾン・ドット・コムが音声アシスタント「アレクサ」の担当部署で数百人を削減する。17日の従業員宛て文書で明らかになった。アパレルチェーンのギャップは、8-10月(第3四半期)利益が予想を上回り、既存店売上高の落ち込みも予想より小幅だった。
この記事の考察
アメリカの市場は様子見になったようだ。
FOMCの利上げが止まったのか又は利下げに転じるのか、今は分からないということだ。
ただ、先行指数を見ていると経済は悪い方向に向かっている。
米新規失業保険申請件数、前週比1.3万件増の23.1万件-予想22万件
by Bloomberg
:先週の米新規失業保険申請件数は前週比1.3万件増加し、23.1万件となった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は22万件だった。 前週は21.8万件。速報値は21.7万件。
より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は22.0万件に増加した。
季節調整前ベースでは21.6万件。前週は21.4万件。
失業保険の継続受給者数は11月4日終了週に3.2万人増の186.5万人
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