【米国市況】株反発、米国債の落ち着きを好感-ドルは151円台半ば
by Bloomberg
- ハイテク急伸でS&P500種は節目超え、マイクロソフト上場来高値
- ドル指数反落も週間では上昇、原油は株高背景に続伸
10日の米株式相場は反発。11月に入ってからは堅調な地合いとなっている。大型ハイテク株が急伸し、米国債市場のボラティリティー(変動性)は低下。米連邦準備制度理事会(FRB)関係者から予想外の発言は出てこなかった。
S&P500種株価指数は節目の4400を上回り、100日移動平均も上抜けた。テクニカル分析上、こうした動きは強気のシグナルとされている。同指数は7週ぶり高値に上昇した。大型ハイテク株の比重が高いナスダック100指数は2%を超える上昇。マイクロソフトは上場来高値を更新、エヌビディアは8日連騰した。
LPLファイナンシャルのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、アダム・ターンキスト氏は「株式は売られ過ぎの水準から有意な戻しを見せた」と指摘。S&P500種の4400超えは「現在の下降トレンドを反転させ、高値の切り上げを示唆する。先月に調整局面の底を付けた可能性が高くなる」と説明した。
ウォール街の関心は引き続き米当局者発言に向けられている。アトランタ連銀のボスティック総裁は追加利上げを必要とせずに政策当局者は米国のインフレ率を目標値まで引き下げることが可能との見解を示した。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、インフレ抑制の進展が失速し経済が力強く推移する場合、政策金利を再び引き上げざるを得なくなる可能性があると述べた。
米ミシガン大学が発表した11月の消費者調査(速報値)では、長期のインフレ期待が2011年以来の高水準となった。
米消費者5-10年先インフレ期待、12年ぶりの高水準-ミシガン大
米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレの2%目標に対するコミットメントを強調すると投資家は考えるだろうが、長期のインフレ期待が上昇していることはFRBが責務を完遂できないと消費者が確信していることを示していると、LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は指摘した。
過去3カ月にわたって株式市場に広がっていた警戒感は、「年末の強欲」に変わってしまったと、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト、マイケル・ハートネット氏が指摘。米国債利回り低下への期待が背景にあるという。
「年末の強欲」に米株市場は一変、国債利回り低下に誘われ-BofA
楽観は資金の流れに反映されている。EPFRグローバルのデータを引用したリポートによれば、世界の株式には11月8日までの週に88億ドル(約1兆3300億円)が流入した。依然としてキャッシュは選好されており、約777億ドルがマネー・マーケット・ファンド(MMF)に流入。年間では1兆4000億ドルの記録更新ペースとなっている。
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの米州担当最高投資責任者(CIO)、ソリタ・マルチェリ氏は「優良企業の増益に支えられ、株価指数には上昇余地がある」と指摘。「2024年は全体的に見て、バランスの取れたポートフォリオに資金を投じた投資家には良好な一年となりそうだ。株式と債券、オルタナティブ投資にわたって良好なリターンが期待できる」と述べた。
この記事の考察
S&P500種株価指数は節目の4400を上回り、100日移動平均も上抜けた。テクニカル分析上、こうした動きは強気のシグナルとされている。これは米国債10年利回りの低下、FRBの金利の引き上げはないと試乗が勝手に予想によるものである。
米国債10年利回りと2年利回りの長短金利差、逆イールドがまた深ぼってしまった。一時期、逆イールドは0.2ポイントまで縮まったが今は0.41ポイントまで開いてしまった。
これは一瞬では株価は上昇するが長い目でみるとリセッションRecessionを先延ばしにして、その深さを大きく下に過ぎない。
米クレジットカード残高、初の1兆ドル突破-消費者信用の拡大示唆
by Bloomberg
米国のクレジットカード残高が4-6月(第2四半期)に初めて1兆ドル(約143兆円)を超えたことが、ニューヨーク連銀のデータで明らかになった。米経済が新型コロナウイルス禍から回復する中、消費者信用が一段と拡大していることが示された。
米国のカード延滞率、12年ぶり高水準 金利高が消費に影
by 日経新聞
【ニューヨーク=佐藤璃子】堅調とされる米国の個人消費に変調の兆しが出てきた。7〜9月にクレジットカードの支払いができずに延滞した割合は8.01%と、2011年以来12年ぶりの高水準となった。若年層を中心に長引く物価高・金利高による家計負担が大きくなっているためだ。米国の国内総生産(GDP)の7割を占める消費が鈍れば企業業績や金融政策などに影響が広がりかねない。
カード債務も急増、160兆円に
ニューヨーク(NY)連銀が7日発表した。この延滞率はクレジットカード債務残高のうち、7〜9月に新たに30日以上の滞納に陥った残高の割合を示している。より深刻な90日以上の新規延滞の割合も5.78%と、ほぼ12年ぶりの高さになった。
この記事の考察
アメリカのサブプライムの人々はもう現金が無いです。コロナでばらまかれた現金はもう使ってしまった。車も買ったし、家もかった。しかし、金利が高くなって車、家のローンが払えなくなってきてます。
現金が無くなり人々はカード支払い、つまり借金に頼っている。今は延滞、滞納Delinquencyだがこれが支払い不能Defaultになっていく。
つまり、またサブプライムローンの破綻になる。
Great Reset
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