サウジが予想外に自主減産3カ月延長、ロシアも続く-ブレント原油上昇
by Bloomberg
サウジアラビアは脆弱(ぜいじゃく)な世界市場を支えることを目指し、原油の自主減産をさらに3カ月延長する。ロシアも原油輸出の削減を同じ期間継続する。
国営サウジ通信(SPA)によれば、サウジは日量100万バレルの自主減産を12月まで継続する。産油量は日量約900万バレルと、7年ぶりの低水準となる。ロシアも日量30万バレルの輸出削減を年内続ける。
サウジ、自主減産さらに1カ月延長-ロシアも原油輸出削減を継続 (1)
ブルームバーグが先週まとめたトレーダーとアナリストを対象にした調査では、サウジは自主減産を1カ月延長すると回答者25人中20人がみており、今回のサウジの決定は市場予想を上回る内容だった。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の主要メンバーによるこうした動きを受け、北海ブレント原油は昨年11月以来となるバレル90ドル台に上昇した。
この記事の考察
原油価格を下げたくないサウジアラビアとロシア。裏側で繋がっているのは明白である。
ロシア、プーチンが、クリミア半島、ウクライナに戦争を仕掛けた時の原油価格は2回とも1バレル100ドルを突破した時である。この因果関係は明らかである。
オイルマネーで世界を支配出来ている。唯一、対抗できるのはアメリカであるが、ただアメリカの戦略石油備蓄が40%を切っている中でこれをサウジアラビアが逆手にとってカードとして切ってきている。
[ワシントン 1日 ロイター] – 米政府は、戦略石油備蓄(SPR)補充のために計画していた600万バレルの原油購入を見送った。エネルギー省の報道官が1日、明らかにした。サウジアラビアの自主減産で原油価格が上昇を続けると見込まれる中での方針変更となった。
バイデン大統領の人気取りのためにインフレを抑えようとしてこの戦略石油備蓄を2022年 7月から放出してきた。 2023年 8月になってやっとインフレが沈静化を見せ始めたため、米政府は戦略石油備蓄を増やしたいはずである。
しかし、ここにきてまた原油価格が上がり始めている。原油価格が1バレル100ドルを突破すればまたインフレが再燃していく。
いずれにせよ、2023年後半から2024年にかけてリセッションに入り、米経済は失速する事になる。
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