中国、新たな半導体規制巡り日本に報復を警告

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2 SEP. 2024 経済 NEWS

by Bloomberg

中国は日本政府に対し、中国企業への半導体製造装置の販売および関連サービスの提供をさらに制限すれば、厳しい経済的報復措置を講じると示唆している。米国は中国を先端半導体テクノロジーから遠ざける戦略で日本など同盟国に歩調を合わせるよう求めているが、そうした取り組みは複雑さを増している。

  事情に詳しい複数の関係者によると、中国高官は日本側と最近行った数回の会合で、こうしたスタンスを繰り返し説明してきたという。非公開情報だとして匿名を条件に語った。

  日本側が抱く具体的な懸念の一つは、新たな半導体規制に反発した中国が自動車生産に不可欠な重要鉱物へのアクセスに制約を加える可能性があることだ。トヨタ自動車がこうした問題を政府関係者に内々に伝えているという。

  ある関係者によれば、トヨタは日本の半導体政策に深く関与しており、同社による台湾積体電路製造(TSMC)熊本工場出資もその一例だという。

日本が半導体分野で新たな対中輸出規制を導入する場合、主に影響を受けるのは、東京エレクトロンなどの半導体製造装置メーカーだ。同社などによる高度な半導体関連装置の中国向け販売について、米国は制限の強化を日本に求めている。中国の国内半導体産業育成を抑えようとする米国の長期対策の一環だ。

  そうした協議の中で、日米両政府の高官は重要鉱物の十分な供給を確保する戦略も練っていると一部の関係者は説明した。中国は昨年、ガリウムやゲルマニウム、グラファイトの輸出を制限した。

米中覇権争いの焦点、半導体はなぜ重要なのか-QuickTake

  トヨタを巡る懸念には前例がある。中国は2010年、東シナ海で中国漁船が海上保安庁の巡視船と接触し、中国船の船長が公務執行妨害の疑いで逮捕されたことを受け、日本へのレアアース輸出を一時的に停止した。この措置は日本の電子産業に衝撃を与えた。

 日中の対立に関するブルームバーグの報道後、日本の半導体関連株は2日の取引で下落。東京エレクトロンは一時1.9%下げ、レーザーテックディスコもそれぞれ一時2.8%安、3.3%安となった。

  バイデン政権は、日本側の懸念を和らげることで年内に合意できると確信していると、一部の関係者は話した。

  ただ、より強硬な選択肢もある。米国は水面下で外国直接産品ルール(FDPR)と呼ばれる権限をちらつかせている。これは、米国製技術を少しでも使用した外国製品への制限措置導入を可能にするもので、実際の行使には至っていない。

米、対中半導体規制で最も厳格な措置検討と同盟国に警告-関係者

  同盟国の多くは、FDPRを行き過ぎた強権的措置だと見なしている。米国は外交的解決を望んでいるが、FDPR行使の可能性を排除していないと米政府高官は述べた。

  11月の米大統領選と9月の岸田政権退陣が合意のタイミングを複雑化させている。だが、バイデン政権高官は、日本では政府全体で政策に関するコンセンサスが構築されているため、岸田文雄首相の退任がさらなる規制強化に向けた交渉に影響を与えることはないと話している。

  日本の経済産業省からコメントはまだ得られていない。東京エレクトロンはコメントをする立場にはないとした。トヨタの広報担当者は「顧客のニーズに応えるため鉱物資源に限らず最適な調達戦略を常に考えている」とコメントした。

輸出管理を担当する米商務省の産業安全保障局(BIS)はコメントを控えた。

  中国外務省は、通常の貿易を政治化し、他国を中国に対する技術封鎖に誘い込もうとする、いかなる国家による取り組みにも反対するとコメントした。

  米国が広範囲にわたる対中半導体輸出規制を初めて発表したのは22年10月。製造装置と最先端プロセッサーの両方に照準を定めるもので、日本とオランダも、より制限の緩い独自の措置で追随した。

  それ以降、米政府は同盟国に対し、米国の規制に完全に沿った措置を導入するよう説得を試みており、特にオランダのASMLホールディングと東京エレクトロンが既に中国向けに販売した規制対象の装置について、両社による修理の提供を制限するよう求めている。米企業は既にそうしたサービスの提供を禁止されている。

  オランダ政府は、ASMLが中国で半導体装置の修理およびメンテナンスを行うことを制限する計画だと、ブルームバーグ・ニュースは8月に伝えた。

オランダ、ASMLの中国事業をさらに制限へ-修理や保守で制約

  米国は現在、人工知能(AI)の重要なコンポーネントである高帯域幅メモリー(HBM)や他の半導体製造装置へのアクセスの制限を強化することや、特定の中国企業を標的にした措置などを検討している。これを受け、日本およびオランダの当局者との間で2つ目の交渉が並行して行われている。

  日本とオランダの半導体製造装置メーカーは現在、中国を標的とした米国の新たな輸出制限の適用を免れているが、米政府は両国に対し、米国の新措置と歩調を合わせるよう圧力をかけている。バイデン政権は、米国内産業および一部の民主党議員から、独自の措置を講じる前に主要同盟国との合意を確保するよう圧力を受けている。

  民主党のロフグレン下院議員とパディヤ上院議員は、米商務省高官に宛てた8月13日付の書簡で、「国家安全保障上の利益が疑わしい一方的な輸出規制により、米国企業や半導体イノベーションにおける米国のリーダーシップに悪影響が及んでいることをわれわれは深く憂慮している」と表明。カリフォルニア州選出の両議員は、近い将来に新たな一方的な規制が実施される可能性に「さらに大きな懸念」を抱いているとした。

 ASMLと東京エレクトロンは、米国による対中輸出規制の導入後、中国での売り上げが大幅に増加している。アプライド・マテリアルズラムリサーチKLAなどの米企業も、中国企業が米国の新たな規制に先手を打つ形でそれほど高度ではない装置の備蓄を強化しているため、同国向けの装置販売が高水準を維持している。

中国、半導体製造装置の輸入が過去最高-対中規制強化に備え購入活発

  バイデン政権の高官は、中国企業による備蓄強化について、あまり高度ではない装置に限られているため影響はないとし、最先端ツールへのアクセスを遮断することで中国の技術革新能力は著しく妨げられていると述べた。

このニュースの考察

資源のない日本にとっては厳しい選択となると思います。

日本はアメリカの言うことを聞かないわけにはいかない。
しかし、レアメタルが入ってこないのも困ります。

Bloombergの原題は↓下です。
China Warns Japan of Retaliation for Possible New Chip Curbs

目先の利益を取るか、それとも未来の利益を取るかです。

答えは当然、未来の利益でしょう。

そもそも、半導体の技術に限った事ではありません。

家電製品、繊維、鉄鋼、車等、日本の基幹産業が次々と中国に奪われていきました。
ユニクロ等、自分たちが儲かればそれでいいと思うのは国益を損なうこととなります。

最後に残った半導体製造装置やそのメンテナンス技術まで中国に渡してはいけないと思います。
特に、この分野は軍事産業にも影響が大きいです。

アメリカは中国に対しては強行策を取っています。

米、対中半導体規制で最も厳格な措置検討と同盟国に警告

バイデン米政権は、半導体製造装置大手の東京エレクトロンやオランダのASMLホールディングなどの企業が先端半導体技術へのアクセスを中国に提供し続ける場合、利用可能な最も厳しい貿易制限措置の利用を検討していると同盟国に伝えた。

  最近の議論に詳しい複数の関係者によれば、米国は外国直接産品ルール(FDPR)という措置の活用を検討している。このルールは、米国製技術を少しでも使用した外国製品に制限措置を導入することを可能にする。

  これは同盟国から極めて厳しい措置と見られているが、実際に講じられれば、半導体産業に不可欠な製造装置を生産する東京エレクトロンやASMLの中国事業を締め付けることになる。非公開の協議だとして匿名を条件に話した関係者によると、米国は日本とオランダの当局者に対し、両国が中国に対する措置を強化しない場合に可能性が高まる結果として、この案を示している。

日本はどうして中国に渡して強行に出れないのでしょうか?

この不満は日本人の一般庶民のほとんどがそう思っているはずです。

ここにも日本が貧困国になってしまった原因があると思います。

誰かが、またはある組織が意図的に経済を破壊しにいきます。

全ては誰かの利益のために

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