TB MMF

投資

29 AUG. 2024 経済 NEWS

MMFに関してこんなニュースがBloombergから出ていたので紹介します。

「Tビルでのんびり」は機会損失-利下げ近づいても抜け出せず

‘T-Bill and Chill’ Is a Hard Habit for Investors to Break

by Bloomberg

1年以上もの間、何も考える必要がなかった。超安全な米財務省短期証券(Tビル)に投資し、5%以上の利回りを得て、それを繰り返す。億万長者の債券投資家ジェフリー・ガンドラック氏は昨年10月にこれを「T-bill and chill(Tビルでのんびり)」と形容していた。

米連邦準備制度が政策金利を20年ぶりの高水準から引き下げる構えを見せており、Tビルやその他の短期商品の利回りは低下する見込みだが、マネー・マーケット・ファンド(MMF)は依然として活況を呈している。今月だけで1060億ドル(約15兆3000億円)の資金を集め、その残高は6兆2400億ドルとかつてない高水準になっている。

パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)やブラックロックなどの債券運用会社がより長期の債券へのエクスポージャーを増やすよう繰り返しアドバイスしているにもかかわらず、現金同等物の投資家は今のところ現状維持で満足しているようだ。

  しかし、債券ファンドが言いたいのは、現金資産のリターンは下がる一方だが、満期の長い債券は、大幅な金利引き下げという環境下でキャピタルゲインから利益を得ることができるということだ。

  チャールズ・シュワブのチーフ債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は「論理的に言えば、利回りが下がるのであれば6兆ドル以上の資金がMMFに滞留しているのは合理的でない」と指摘。「利下げがさんざん取りざたされたが実現しなかったので、実際にそれが起こるのを待っている人が多いのかもしれない」と考察した。

今年の債券ボラティリティーの中では現金が有利だった。米政策金利レンジの5.25-5.5%を軸にした短期市場金利は安定的に推移しており、サプライズはない。

  しかし、それは変わろうとしている。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、9月の利下げを示唆した。インフレ率が低下し「政策を調整する時が来た」とし「方向性は明確であり、利下げのタイミングとペースは、今後入手するデータ、変動する見通し、そしてリスクバランスに左右される」と述べた。

個人投資家

  短期商品の魅力は続くかもしれない。問題は利下げ幅だ。例えば、1ポイントの利下げであればTビル利回りはまだ4%のレンジで、魅力的なリターンになる。

  直近の引き締めサイクル以前はゼロに近い金利が何年も続いた後であり、より長期の米国債の利回りがこれより低いため、十分に魅力的に見える。個人投資家が保有資産のシフトを急がないのはこのためかもしれない。

  「最近の記憶にある中で初めて、現金資産が実際に利回りを提供しており、人々がそちらに引き寄せられるのは理解できる」と、2兆5000億ドルの資産を運用するキャピタル・グループのポートフォリオマネジャー、ジョン・クイーン氏は言う。

  しかし、それが最近どんなにうまくいっていようと、同氏は現金と株式、債券を組み合わせて投資する古典的な分散戦略を推奨している。

MMFに滞留している6兆2400億ドルのうち、約60%は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後に現金をため込んでいる企業からのもので、残りは銀行に預けておくよりは高い利回りに満足している個人投資家からのものだ。MMFの利回りは、投資家がより長期の米国債に投資して得られる利回りよりもかなり高い。

  米利下げが開始された後も、MMFは個人投資家から少なくとも幾らかの資金を集め続けるはずだ。銀行よりも高い利回りを提供し、資金管理をアウトソーシングしたい機関投資家を呼び込むことに変わりはないからだ。

  短期商品で高金利を享受している一部の投資家には、これが永遠に続くわけではないという認識が広がっており、キャッシュのリターンが突然低下する日への警戒感が高まっている。

  3億5000万ドルの資産を持つプライベートウェルス運用会社、R.W.ロージの最高投資責任者、スティーブン・ロージ氏は、今年の大半において顧客と話し合いで最も難しかったのは、MMFや高利回りの普通預金口座に長くとどまりすぎるリスクを説明することだったと言う。

 「債券ファンドへの再投資は難しい話題だったが、米利下げが目前に迫りこうした話は容易になってきている」と同氏は述べた。

  現金投資家にとって機会損失となるのは、債券はTビルと異なり、金利が低下するにつれて値上がりしキャピタルゲインが得られるからだ。

10年物米国債の利回りは現在4%弱だが、5%を超えていた1年足らず前から今までに、すでにキャピタルゲインの恩恵を受けていることを債券運用者は強調する。7-10年物米国債のブルームバーグ指数は昨年10月以来、13.3%上昇となっている。この間の現金資産のリターンは4.5%だった。

2桁のリターン

もちろん、Tビルかより長期の債券かの二者択一だけではない人もいる。ウォーレン・バフェット氏の投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは、アップルなどの株式投資を現金化した後、4-6月(第2四半期)にTビルの保有を2340億ドルに増やした。

  バフェット氏のような投資家にとって、金利がまだそこそこ高い間は、株式に新たな掘り出し物が現れるまで現金同等物を保有することは、理にかなっている。

  しかし債券の観点から見ると、利下げに伴い10年物米国債利回りが3%に向かって低下するなら、現在利回り4%前後の10年債を保有する方が現金より有利だ。長期の米国債ならば、値上がり益とクーポンを合わせて2桁台のリターンを享受できる。

  シュローダー・インベストメント・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ニール・サザーランド氏は、「このシナリオでは現金の方が良いとは言えない。10年債利回りは3%に向け低下する可能性があり、そのような環境では2桁のリターンがすぐに得られると考えるのは不合理ではないと思う」と語った。

現金同等資産の利回りが低下するのはどこから見ても必至で、そうなれば頭を使わない「Tビルでのんびり」はもはや通用しなくなる。

  「投資家がひとたび自分たちが得ているものを見れば、今いる場所がもはやそれほど居心地がよくないことに気付くだろう」とシュワブのジョーンズ氏は述べた。

この記事の考察

アメリカのFFレートが5.50%であるならば、T-Billsに資産を置いておけば
4.5~5%の利息が貰えるのだから、こんなに良いものはないと思います。

我々日本人からしたら、羨ましい商品です。

豆知識

TBとはTreasury Billsの略で、日本語では財務省短期証券と言います。

財務省短期証券とは米国政府が発行する償還期間が1年以内の利付債のことで「ビル(トレジャリー・ビル)」とも言われます。13週物、26週物、52週物の3種類で、券種は1万ドルから100万ドルまであり券面は発行されません。財務省中期債券や財務省長期債券は半年に1回利払いがありますが、財務省短期証券は利払いがない代わりに額面から割引された価格で発行されます。財務省短期証券は安全性と高い流動性を持っており、連邦準備制度理事会が公開市場操作の主たる対象として位置づけていることから、金融市場における短期金利の重要な指標となっています。また、1年超10年までの中期証券を「ノート((トレジャリー・ノート)」、10年超の長期証券を「ボンド(トレジャリー.・ボンド)」と呼ばれます。

T-Bills 財務省短期証券はデフォルトのリスクがほぼほぼ0です。

株式に資産を置いておくと、いつ暴落に巻き込まれるか分かりません。

Bloombergのニュースの和訳では現金となっていますが、これはMMFを表しています。

私たちの考える現金(紙幣、ちょきん)とは違います。

MMFは投資信託です。
MMF(Money Management Fund、マネー・マネジメント・ファンド)は、公社債などを投資対象とする投資信託の一つです。投資対象に株式を組込むことができる投資信託は「株式投資信託」と呼びますが、MMFは株式を投資対象とすることはできないため「公社債投資信託」と呼ばれます。

MMFの主な投資対象は公社債やCP(コマーシャルペーパー)、CD(譲渡性預金証書)などです。なお、CPとは、企業が1年未満の短期で資金調達するための無担保の約束手形のことを指し、CDは、第三者に譲渡可能な自由金利の大口定期預金のことを指します。

MMFは基本的に株式を投資対象に含んでいない点が特徴であり、一般的な投資信託よりも安全性を重視した商品といえるでしょう。ただし、ほかの投資信託同様に、元本保証があるわけではなく運用実績によって利回りが変化する点には注意が必要です。

T-Bills MMF両方とも4%くらいのリターンがほぼ約束されています。

アメリカ人からしたら、こんなに良い投資商品はないはずです。

だから、Boolmbergのニュースタイトルに【Tビルでのんびり】とあります。

日本人個人投資家は直接T-Billsは買うことは出来ません。
MMFには投資することは出来ます。
同じく4%のリターンは期待できます。


しかし、ここに為替レートの問題があります。

4%のリターンをとれても、4%以上為替レートが動いたら円建ての資産がマイナスになってしまうかもしれないです。

今回がそうでした。

ドル円が160円から144円になりました。

7月10日のドル円

8月28日のドル円

僅か1ヶ月で10%も円高にシフトしました。

これでは円建てでは資産が減ってしまいます。

そこで、考え方を少し変えましょう。
それはある程度は米ドルで資産を持っておくということです。

自分の資産の何パーセントかを常に米ドルでもっておくということです。

アメリカはここから1~2年は確実に利下げが行われます。

↑はCME FEDWATCH TOOLです。
FFレートの予想が出ています。
これを見ると来年の9月までに2%強の利下げを予想しています。

米ドルの価値は下がります。

ドル円は円高方向にシフトします。

しかし、その後はまだ分かりません。

5年間、10年間、20年間という長期のスパンで考えた時、アメリカドルは強いです。

世界の基軸通貨であり続けると思います。

だから、自分と子供、孫のの資産の一部を米ドルでもっておくことを推奨します。

SBI証券で米ドルのMMFを買うことが出来ます。
手数料は0.7%とちょっと高いです。

それを差し引いても4%のリターンを期待出来ます。
残念ながらNISAの対象銘柄ではありません。

誰かが、またはある組織が意図的に経済を破壊しにいきます。

全ては誰かの利益のために

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