米雇用者数、年次改定値

投資

22 AUG.2024 経済 NEWS

21日にアメリカ労働局BLSより米雇用者数、年次改定値3月が発表されました。

マイナス81.8万人でした。
アメリカの雇用者数が2023年、3月から2024年、3月までの1年間で81.8万人も多くこれまでは発表されていたということです。

市場は毎月の雇用統計を重視しています。
このデータが月平均でマイナス6.8万人も修正されることになりました。

後出しデータにしてはずさんすぎると思います。

アメリカ労働局BLSの通常の速報値がいかにいい加減であり、アメリカ政府とFRBの意向が入っているかが疑われます。

我々、一般投資家は何を信じれば良いのでしょうか?
Bloomberg,Reuters,日経新聞、等だけを見ていてもダメということになります。

生データです。

CES Preliminary Benchmark Announcement

In accordance with usual practice, the Bureau of Labor Statistics (BLS) is announcing the preliminary estimate of the upcoming annual benchmark revision to the establishment survey employment series. The final benchmark revision will be issued in February 2025 with the publication of the January 2025 Employment Situation news release.

Each year, the Current Employment Statistics (CES) survey employment estimates are benchmarked to comprehensive counts of employment for the month of March. These counts are derived from state unemployment insurance (UI) tax records that nearly all employers are required to file. For National CES employment series, the annual benchmark revisions over the last 10 years have averaged plus or minus one-tenth of one percent of total nonfarm employment. The preliminary estimate of the benchmark revision indicates an adjustment to March 2024 total nonfarm employment of -818,000 (-0.5 percent).

Preliminary benchmark revisions are calculated only for the month of March 2024 for the major industry sectors in table 1. The existing employment series are not updated with the release of the preliminary benchmark estimate. The data for all CES series will be updated when the final benchmark revision is issued.

Table 1 shows the March 2024 preliminary benchmark revisions by major industry sector. As is typically the case, many of the individual industry series show larger percentage revisions than the total nonfarm series, primarily because statistical sampling error is greater at more detailed levels than at an aggregated level.
翻訳

通常の慣行に従い、労働統計局 (BLS) は、事業所調査雇用シリーズの次回の年次ベンチマーク改訂の暫定推定値を発表します。最終的なベンチマーク改訂は、2025 年 2 月に 2025 年 1 月の雇用状況ニュースリリースの発行とともに発行されます。毎年、最新雇用統計 (CES) 調査の雇用推定値は、3 月の包括的な雇用数をベンチマークします。これらの数は、ほぼすべての雇用主が提出する必要がある州の失業保険 (UI) 納税記録から得られます。全国 CES 雇用シリーズの場合、過去 10 年間の年次ベンチマーク改訂は、平均して総非農業雇用のプラスマイナス 0.1% でした。ベンチマーク改訂の暫定推定値は、2024 年 3 月の総非農業雇用が -818,000 (-0.5%) に調整されることを示しています。暫定ベンチマーク改定は、表 1 の主要産業部門について 2024 年 3 月分のみ計算されます。既存の雇用シリーズは、暫定ベンチマーク推定値の発表では更新されません。すべての CES シリーズのデータ​​は、最終的なベンチマーク改定が発表された時点で更新されます。表 1 は、2024 年 3 月の暫定ベンチマーク改定を主要産業部門別に示しています。通常の場合と同様に、個々の産業シリーズの多くは、統計的サンプリング誤差が集計レベルよりも詳細レベルで大きくなるため、非農業部門全体のシリーズよりも大きなパーセンテージ改定を示しています。

この改定値の発表についてもう一つ、不審点が出てきました。

それは発表される公平さです。

21日の発表が予定より30分ほど遅れたようです。
しかし、電話で問い合わせた会社があったようです。

みずほフィナンシャルグループBNPパリバは同局に電話で問い合わせ、数字を直接入手した。事情に詳しい関係者によると、野村ホールディングスの経済調査チームも同様に情報を得た。

と、Bloombergに出ています。

この事実が表に出るくらいずさんです。

ということは表に出ない事がもっとあると考える方が自然です。

ヘッジファンド、ファンドマネージャーが多額の資金を利用して情報を不正に得ていると思います。

これでは我々、一般投資家は勝てるわけがないです。

これを受けてBloombergでは次のような記事が出ています。

発表遅れた米雇用改定、電話でデータ入手の銀行も-公平性に疑念

金融市場で注目を集めていた米雇用統計の年次ベンチマーク(基準)改定データは、21日の発表が予定より30分ほど遅れたが、少なくとも金融機関3社はウェブサイトでの公表より前に情報を入手した。公表の遅れは市場を動揺させ、世界で最も慎重に扱うべき経済情報の発信手順について再び疑念が生じた。

  予定の米東部時間午前10時(日本時間午後11時)になっても、労働省労働統計局のウェブサイトには同データが掲載されなかった。みずほフィナンシャルグループBNPパリバは同局に電話で問い合わせ、数字を直接入手した。事情に詳しい関係者によると、野村ホールディングスの経済調査チームも同様に情報を得た。

ウォール街では、労働統計局が一部企業に電話で数字を伝えたという情報がトレーディングデスク経由で広まり、怒りの声が急速に高まった。

  データは結局、午前10時半ごろに発表された。今年3月までの1年間の米雇用者数の伸びは81万8000人下方修正されるとみられ、従来の発表値よりはるかに低かった可能性が高いことが明らかになった。これを受けて市場では、米金融当局が9月会合で利下げに踏み切るとの見方が強まった。

米雇用者数、2009年以来の大幅下方修正-年次基準改定の速報値

   米国みずほ証券のチーフ米国エコノミスト、スティーブン・リチュート氏は「データ発表が遅れていることが分かり、電話で問い合わせなければならなかった。数字はその後でウェブサイトに掲載された」と語った。

BNPパリバの米国担当シニアエコノミスト、エレーナ・シュルヤティエバ氏は労働統計局ウェブサイトのページを何度もリフレッシュして数字が出てくるのを待ったという。その後、「公表されている問い合わせ番号に何度か電話をかけたところ、数字を教えてくれた」と述べた。

 野村の広報担当者はコメントを控えた。労働統計局の報道官はブルームバーグに電子メールで送付したコメントで、今回の件について労働省の監察総監室に通知したとし、「データ公表の信頼性はわれわれの最優先事項であり、こうした事態が将来起きないよう手順を厳密に見直している」と説明した。

  米労働省のデータの取り扱いを巡る不手際は以前にもあった。5月には消費者物価指数(CPI)のデータを公式発表より約30分早くウェブサイトに誤って掲載した。

  その1カ月前には、CPIに関するデータの広く公開されていない詳細について、労働統計局のエコノミストがJPモルガン・チェースやブラックロックといったウォール街の大手金融機関からの問い合わせに何度も応じていたと報じられた

 労働統計局のエコノミストは「スーパーユーザー」と名付けたグループに電子メールを送り、2024年初頭のCPI上昇の背景に、帰属家賃の主要指標の計算方法変更があることを示唆。同局はその後、受信者にその内容を無視するよう伝え、ウェブサイト上の通知で混乱解消を図ったが、経済情報への公平なアクセスを巡る疑念が浮上していた。

  21日に雇用統計の改定データが公表されると、市場で取引が急増した。S&P500種株価指数の先物売買は午前10時30分から同35分までの間に約2万枚と、その前の5分間に比べて58%増加。S&P500種は一時急伸し、債券相場は上昇を続けた。

  ウォール街では他にも、発表が遅れていたデータを入手するために労働省に連絡を試みた人がいた。マクロポリシー・パースペクティブの創業者で米連邦準備制度理事会(FRB)の元エコノミスト、ジュリア・コロナド氏は、「われわれは労働統計局に電話して数字を聞いた。統計局はデータが掲載されたと思っていたが、掲載されていなかったので、技術的な不具合があったようだ」と述べた。

米雇用者数、2009年以来の大幅下方修正-年次基準改定の速報値

2024年3月までの1年間の米雇用者数の伸びは、従来の発表値よりはるかに低いものだった可能性が高い。21日に発表された年次ベンチマーク(基準)改定の速報値で明らかになった。

  米労働統計局が発表した年次ベンチマーク改定の速報値によれば、3月までの1年間の雇用者増は81万8000人下方修正されそうだ。1カ月当たりでは約6万8000人減となる。下方修正幅は2009年以来最大。

  エコノミストはおおむね下方修正を予想、一部では最大100万人の下方修正との見方も出ていた。ベンチマーク改定の確報値は25年初めに発表される。

ベンチマーク改定の発表前の段階では、雇用者数は1年間に290万人増(月平均で24万2000人増)だった。今回の改定を受け、雇用者数の変化を均等に配分したと仮定した場合、1カ月当たり約17万4000人増のペースとなる。これは依然として健全な雇用増加ペースではあるが、新型コロナウイルス禍のピークからは鈍化している。 

  ベンチマーク改定は毎年行われるが、今年は特に、労働市場が当初のデータ発表より速いペースで冷え込んでいることを示唆するシグナルが出ていないかと、市場や米連邦準備制度理事会(FRB)ウォッチャーが注目していた。

今回の改定は、労働市場が当初の想定よりはるかに早い段階から減速していた可能性を示唆している。市場やエコノミストが雇用に対して懸念を強めたのは今月初めに7月の雇用統計が発表されてからだ。7月の統計は弱い雇用増加ペースと失業率の4カ月連続上昇で警報を鳴らした格好だが、新規失業保険申請件数や求人件数は、より緩やかな減速を示唆している。 

  データの発表を受け、FRBが利下げで後れを取っているとの懸念が強まりそうだ。

  パウエルFRB議長は23日、ジャクソンホール会合(カンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム)で基調講演を行う。その講演を控えて発表された今回の改定は、パウエル議長が労働市場に関する最新の評価をまとめる上で一助となるだろう。インフレが新型コロナ禍のピークから鈍化していることから、FRB当局者はこのところ、2大責務のうちの雇用サイドに重点を移している。

  業種別では、プロフェッショナル・ビジネスサービスが下方修正全体の半分近くを占めた。他にも娯楽・ホスピタリティー、製造業、小売りなども下方修正幅が大きかった。

この記事の考察

この改定値、年間でマイナス81.8万人は大きい数字と捉えるべきです。

アメリカの景気原則は1年前から始まっていた。

この部分の考え方は私と同じです。

しかし、次の部分は違います。

データの発表を受け、FRBが利下げで後れを取っているとの懸念が強まりそうだ
普通に考えたらこうなります。

しかし、FRBとアメリカ政府はアメリカの経済が強いということを他の国に知らせる必要があるのです。

FRBとアメリカ政府は米ドルを世界の基軸通貨として保っていたいのです。
アメリカ国債を買って貰いたいのです。

その為には米ドルが魅力あるものにしておきたいのです。
つまり、金利を高く保っておきたいのです。

このロジックで考えると速報値と改定値がこんなにもずれていた理由が分かります。

ここから誰かが、、又はある組織が意図的に経済を破壊しにいきます。

全ては誰かの利益のために

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