イスラエルがイランに報復攻撃と米当局者-イラン国内報道は抑制的
by Bloomberg
イスラエルは、イランに対する報復攻撃に踏み切ったと、米当局者2人が明らかにした。イランによる無人機・ミサイル攻撃から1週間足らずでの対応となった。ただ、イラン国内メディアは当初の報道から数時間後には控えめに扱うようになってきているもようだ。
イラン中部の都市イスファハンで19日午前に爆発音があったと、同国のファルス通信が報じた。イランの国営テレビはイスファハンにある核施設は完全に無事だと伝えた。国際原子力機関(IAEA)もイランの核施設に被害はないことを確認したとX(旧ツイッター)に投稿。状況を非常に注意深く監視していると説明した。
ロイター通信はイラン高官を引用し、同国が直ちにイスラエルに反撃する計画はないと報じた。この高官は「今回の件の原因が国外によるものだとは確認されていない。われわれは外部の攻撃を受けておらず、攻撃というよりは侵入ではないかとの方向に議論が傾いている」と述べたという。
ファルスによると、爆発の詳細は分かっていない。ただ、イスファハンはイランが13日にイスラエルを攻撃した際に、無人機やミサイルを発射した拠点の一つだったとみられている。イラン側はこれまで核濃縮やミサイルの重要施設があるイスファハンを含め、核・軍事施設を標的にした攻撃や妨害活動でイスラエルを定期的に非難してきた。
米紙ニューヨーク・タイムズは、イスラエル国防当局者2人が今回の攻撃はイスラエルによるものだと認めたと報じた。
イスラエル当局者は18日、今後24-48時間以内に報復する計画だと米国に通告していたと、米当局者2人が非公開のやり取りだとして匿名を条件に明らかにした。国家安全保障会議(NSC)と国防総省の報道官はコメントを控えた。
イランメディアは今回の攻撃を控えめに扱っているもようだ。国営放送はイスファハンの落ち着きを伝え、いつも通りに全てが進んでいると主張。また、国営テレビによれば、イランの国家安全保障最高評議会(SNSC)が緊急会議の招集を見送る一方、当局は死傷者の有無や被害状況について最新情報を提供しなかった。
イランのメヘル通信によれば、イスファハンのほか、テヘランやシラーズ、同国西部国境沿いの空港で航空便の運航が停止された。
国防総省のライダー報道官は今回の攻撃が報じられる前に声明で、オースティン米国防長官が18日にイスラエルのガラント国防相と協議したことを明らかにした。
ライダー報道官によると、両氏は「地域の脅威や中東におけるイランの不安定化行動」について話し合った。声明では、ガラント国防相が報復攻撃に関してオースティン氏に何らかの警告を与えていたかどうかには触れられていない。
イランのアブドラヒアン外相は18日夜、CNNとのインタビューで、「イスラエルの政権が再び冒険主義に乗り出し、イランの国益に反する行動を取るなら、わが国からの次なる対応は即時かつ最大レベルのものになるだろう」と述べていた。
【日本市況】日経平均1000円安、中東緊迫化でリスクオフ-金利が低下
19日の金融・証券市場は中東情勢の緊迫化で一気に安全資産需要が膨らみ、日本株が急落して日経平均株価は終値で1000円を超す値下がりとなった。リスクオフで債券が買われ、円も上昇している。
イスラエルがイランに報復攻撃と米当局者-イラン国内報道は抑制的
台湾積体電路製造(TSMC)の半導体市場見通しの引き下げと米連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派寄りの発言を受けて下落して始まった日本株は、中東情勢がエスカレートしたことで下げが加速した。地政学リスクの悪化で米国の長期金利が時間外取引で急低下、日本国債も買い戻しが優勢になった。為替相場では円が対ドルで買われた。
米金融政策や中東情勢、日本株をけん引していた半導体市場の先行きという内外のリスク要因が一気に顕在化した。日本銀行の金融政策決定会合を来週に控え原油価格も上昇しており、各市場価格の大きな変動は日銀の政策判断に影響を与え得る。日本企業の決算も来週から始まることで、相場の変動要因が重なる。
日銀の年内利上げ予想が8割占める、最多10月は4割に増加-サーベイ
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは日本株の急落について、日本企業のファンダメンタルズよりも地政学リスクやTSMCの見通し引き下げが嫌気されており、投資家心理の変化による影響が大きいと電話取材で指摘した。報復の連鎖につながれば瞬間的な下落が続くため、投資家心理的にも良くない展開だと見ている。
リスクオフの動きは暗号資産(仮想通貨)にも波及し、ビットコインは一時6%超下落、イーサやソラナに加え、ミームコインとして人気のドージコインも値下がりした。一方、相対的にリスクが低いとされる資産の需要が高まり、金相場は急伸し最高値に迫った。
株式
東京株式相場は急落し、日経平均終値の下落率は約1年半ぶりの大きさとなった。イスラエルがイランに対しミサイル攻撃を実施したとの報道を受け、投資家の投げ売りが加速した。
中東情勢の不安定化に対する懸念や半導体受託生産大手のTSMCが前日に今年の半導体市場の成長見通しを引き下げたほか、FRB高官によるタカ派寄りの発言で利下げ観測が低下したことなどを受け、市場ではリスク回避ムード一色となった。
日経平均は最高値を付けた3月22日終値からの下落率が9%を超え、調整相場入りを示す10%に近づいている。
三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは「イランが報復する可能性もあり、泥沼化する懸念がある」と指摘した。被害状況がまだはっきりせず、展望ははっきりしないが、「リスクを取っていた人はポジションを落とすだろう。イスラエル内部の政権交代などがないと終わらないのではないか」と話していた。
レーザーテック、東京エレクトロン、ディスコといった半導体関連株の下落が目立った。トヨタ自動車を含む自動車株も安い。半面、中東情勢の緊迫化で運賃が上昇するとの思惑から日本郵船をはじめとする海運株、原油高からINPEXといった鉱業株は値上がりした。
半導体関連株が大幅安、TSMCが24年の市場成長見通し下げる
債券
債券相場は上昇。中東情勢の緊迫化を受けて米国債が時間外取引で急上昇し、日本国債にも買い戻し圧力が強まった。金融市場でリスク回避の動きが広がり、安全資産としての債券需要が高まった。
SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは、リスク回避に伴う金利低下は持続しないとみているが、イスラエルとイランの報復の応報がエスカレートした場合は次元の違う話になるため、一段と金利が低下するリスクもあり、「まさに中東情勢次第で予想できない」と言う。
新発国債利回り(午後3時時点)
為替
東京外国為替市場の円相場は、リスク回避の円買い一巡後に上げ幅を縮小。対ドルで一時前日比0.7%高の153円59銭を付けた後は、154円台前半まで戻している。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、中東での対立エスカレートへの懸念から、リスク回避の株下落、金利低下、ドル買い・円買いになったと指摘。「円売りのポジションが膨らんでいたこともあり、より米金利低下に反応し、円は対ドルで上昇した」と言う。
ただ、各施設には関係がなかったことへの安心感でドルの下げが一巡すると、「ファンダメンタルズ的には利下げの遠のくドルの先高観から、ドルを押し目で買う動きが出やすい」と述べた。
この記事の考察
イスラエルがイランに報復攻撃とニュースが出た瞬間、$円の為替レートが1円動き153.6円まで円が買われた。
そして、日経平均は1000円を超える暴落となった。一瞬、日銀の介入があったかのように思えた。
しかし、午後になると、円は売られ為替レートは154.4円まで戻した。
地政学リスクがあった場合、現在では米ドルが買われる。つまり、円安方向に動く。
なので午前10時ごろからの円高の動きはちょっと不可解である。
そして、原油価格が跳ね上がると思ったがそうでもない。
そして、金の価格は最高値の近辺である。中国が金、銀を世界中から買い占めている。台湾侵攻、台湾有事が近いと思っているが、中東戦争による地政学リスクがくわわったっことで更に金、銀の価格は上昇するだろう。
投資の格言に号砲がなったら買え、笛がなった売れというのがある。
これら全部はシナリオ通りに動いている。アメリカ政府は自国の国債を買って貰いたい。そのためには金利は高い方がいい。
全ては誰かの利益のために NEW GREAT RESET
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