2023 11月11日経済NEWS

投資

ブーム去り繰り上げ償還相次ぐ、ESG投信に「異変」-設定2年未満も

by Bloomberg

  • 消滅した12本のESGファンド、運用開始5年未満が過半を占める
  • 資産運用でESG的考え方が重視される流れは変わらないとの見方も

「異変を感じた」。投資信託の動向を定点観測する松井証券の海老澤界ファンドアナリストは今月に入り、ESG(環境・社会・企業統治)ファンドの変調を嗅ぎ取った。最近立ち上げられたばかりの商品が償還されており、データを確認できなくなっていたのだ。

  日本の投信市場で、ESGファンドの償還がにわかに増えてきた。モーニングスターのデータによると、運用を終えて償還されたESGファンドは、2021年には1年を通じて3本のみ。22年も5本にとどまっていた。

  ところが今年は10月前半時点で2倍以上の12本が消滅し、半数は9月以降に償還された。ほとんどが運用を途中で終える「繰り上げ償還」だった。

ESGファンドの償還が倍増

23年の半数は9月以降に償還

米国では、ESGを重視したサステナブルファンドの需要が落ち込む中、運用会社が相次ぎこうしたファンドの閉鎖に動いている。同様の動きが国境をまたぎ、日本でも見られるようになってきた。資金流出が流入を超過する傾向も一致する。

  一方、ESG以外の投信の償還は、9月末時点で前年の7割程度にとどまる。「倍増」はESGファンド固有の動きだ。モーニングスターのマネジャーリサーチ・ディレクター、元利大輔氏は、20-21年にかけ新規設定が大幅に増え、サステナブル投資ファンドの本数が拡大したのを反映していると指摘する。

ESGファンドの設定本数は同じデータによれば20年に35本、21年には78本に到達。ヒット商品の誕生にも後押しされ、「設定ブーム」の様相を呈していた。

いずれも10億円未満

  消滅した12本のESGファンドの中には古くからの商品もあるが、設定ブーム時に立ち上げられたものが目立ち、運用開始5年未満が半数以上だ。ESGへの懐疑的な見方が広がるなどブームが急速にしぼむ中、信託期間「10年」や「無期限」のファンドが1、2年で姿を消している。

同データによると、今年繰り上げ償還されたESGファンドはいずれも償還前月の純資産が10億円未満だった。比較的短い期間での償還について松井証券の海老澤氏は、運用残高が集まっていないことに加え、来年1月の新NISA(少額投資非課税制度)スタートなどをにらみ、運用会社が商品を絞り込む動きに出ていることが影響している可能性があるとみる。

  こうした少額ファンドを継続すれば「運用会社としてもコストだけかかってしまうので、仕方がない面がある」と理解を示す一方、ESGの場合「サステナビリティーという点では、 長く運用してこそ意味があるようなところはある」とも言及した。

設定が償還を下回る

  ESGファンドには、足元で減少の兆しが出ている。2年前に年間70本を超えた新商品も、モーニングスターによると今年は今のところ8本のみで、償還本数の12本を下回る。同社の元利氏は、金融庁がESG投信に関する監督指針を公表する中、規制関連の動きやパフォーマンス面でのマイルドな逆風を背景に運用会社が慎重な姿勢を強め、設定が減少していると分析する。

ブームの後始末はなお続きそうだ。海老澤氏によると、国内株に投資するタイプだけを見ても運用残高が10億円に満たない商品がかなりある。資産運用で「ESG的な考え方が重視される流れは変わらない」と同氏は見込んでいるが、リテールESGファンドに関しては今後も繰り上げ償還が出てくる可能性はあるとの見方を示す。

この記事の考察

ESGブームはもう去ったのだろうか?こういった類は必ず欧米の一部の金儲け主義から発せられる。

コロナショックでESGどころではなくなってしまった、というのが本音だろう。

オリンピック、ワールドカップ、世界遺産、ミシュランガイドなど欧米の金儲けの為の道具に過ぎない。

特に日本人は欧米への憧れから全て受け入れてしまう。
外国の4つ星、5つ星ホテル、のサービス、レストランの味のひどい事。
これはミシュランガイドの人がそう思っただけです。

日本人はミシュランガイドお断りのプライドを持ってほしい。

特に飲食店は自分の店の味にもっと自信を持って欲しい。
ミシュランガイドの人の味覚に合わせる必要はない。

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